整数問題botの自作問題を解いてみた1
整数問題botの自作問題
昨日見かけた問題を解いてみた。難易度、易とあるがとてもそうは思えない、歯ごたえのある問題だった。ひょっとすると、別の解法があるのかも。
[136]5^a+12^b=13^cを満たす正の整数(a,b,c)の組を求めよ(自作問題、易)
— 整数問題bot (@seisu_bot) August 25, 2019
範囲の絞り込み
問題は、
……(1)
を満たす正の整数の組を全て求めるというもの。
まずは、の小さな値から絞り込んでいく。
とすると、
となり矛盾。よって、。
次に、とすると、
法をにとると、のとき、
となり矛盾。とき、
となりやはり矛盾。よって、。
最後にとおき、写像を次の式によって定義する。
となったとすると、
……(2)
これは、のとき、一般性を失わずに次のように変形できる。*1
ここで、
と仮定すると*2、とは互いに素なので
となるので、法をにとると、
となり矛盾。よって、である。(2)式より、直ちにが従う。
よって、は単射である。したがって、のとき
は唯1つの解となる。以後、とする。まずは、1組の解
が求まった。
原始ピタゴラス数へ
より、
これより、に対してが従うので、は偶数である。そこで、自然数をとって
とおく。次に法をとして、
より、を正の整数として
……(3)
が従う。次は、法をにして、
ここで、であったので、
これより、に対してが従うので、も偶数である。そこで、自然数をとって
とおく最後に法をとして、
ここで、に対して、となり、また、に対して、となるので、は偶数である。(3)式より、も偶数となるので、自然数をとって、
とおける。以上をまとめて、(1)式に代入すると、
となり、は全て互いに素なので、これは原始ピタゴラス数となっている。
原始ピタゴラス数を紐解く
原始ピタゴラス数は、互いに素で偶奇の異なる2数によって、
……(4)
……(5)
……(6)
と表せる。(4)(5)式より、とが互いに素なことに注意すると、
……(5)
……(6)
となる。これを(4)式に代入すると
ここで、
は1つの解になっている。このとき、
となっており、
となる。以上をまとめると、
であり、これに対応して、解
が求まる。
これ以外に解のないこと
数学的帰納法を用いて、上述した解以外の解が存在しないことを証明する。
まず、(4)(5)(6)式から、のとき、
はの冪乗ではないので不適。
ここで、のとき、
なので、のとき、とを入れ替える必要がある。
のとき、関数を
と定義すると、微分して
となるが、
である。また、であるから、のとき、は単調増加関数である。特に
であったので、のとき、
である。
以上の観察から、が奇数のとき、
が偶数のとき、の場合、
を繰り返すことが予想される。すなわち、
が予想される。実際、
ここで、
より、に対して、
が示された。よって、のとき、はより大きくで割り切れないので、
はの冪乗ではない。
また、直接確認したようにもの冪乗ではない。
解答
よって、求める解は
である。