流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

SRWS理論を用いて、臨界指数を計算するための新しい道筋(未完)

SRWS理論におけるグリーン関数級数展開(t>lを仮定)

部分積分を用いれば、二項係数の和の問題をある程度回避できると気づいたのでメモ。

なお、viXraにあげてあるプレプリントで使っていた無限次元近似は、使っても使わなくても厳密に計算した場合と同じ結果を与えることがわかったので報告しておく。

この記事で紹介する方法は、プレプリントのマイナーアップデートである。

グリーン関数級数展開は次の式で与えられる。

G(|x-y|,z) \simeq z^{|x-y|+1} \sum_{n=0}^{\infty} c_n z^n

A_xy=k^t t^{-d/2}

c_n =\sum_{t=|x-y|}^{|x-y|+n}A_{xy}(t)\left(\frac{2}{W}\right)^{t+1}\binom{n+|x-y|}{t}

積分近似と部分積分

総和公式を積分と合わせて近似する。

\sum_{t=|x-y|}^{|x-y|+n} (2k/W)^t\binom{n+|x-y|}{t}\simeq\sum_{t=0}^{|x-y|+n} (2k/W)^t\binom{n+|x-y|}{t}=(2k/W)^{n+|x-y|}

これを積分で近似して、

\int_{t=|x-y|}^{|x-y|+n} (2k/W)^t\binom{n+|x-y|}{t}\simeq (2k/W)^{n+|x-y|}

となる。部分積分を用いて、

c_n\simeq\frac{1}{W} \int_{t=|x-y|}^{|x-y|+n}t^{-d/2}\left( \frac{2k}{W} \right)^t \binom{n+|x-y|}{t}

=\left[ t^{-d/2}(2k/W)^t\right]_{t=|x-y|}^{t=n+|x-y|}+(d/2)\int_{t=|x-y|}^{|x-y|+n}t^{-d/2}\left( \frac{2k}{W} \right)^t

\simeq\left[ t^{-d/2}(2k/W)^t\right]_{t=|x-y|}^{t=n+|x-y|}+(d/2)\sum_{t=|x-y|}^{|x-y|+n}t^{-d/2}\left( \frac{2k}{W} \right)^t

nに依存する項だけを残すと、

c_n\simeq \frac{1}{W} [(n+|x-y|)^{-d/2}a^{n+|x-y|}]+(d/2)\Phi(a,d/2+1,n+|x-y|+1)

c_n\simeq \frac{1}{2k}a [(n+|x-y|)^{-d/2}a^{n+|x-y|}]+(d/2)\Phi(a,d/2+1,n+|x-y|+1)

ここで、Φはレルヒの超越関数であり、

a=\frac{2k}{W}

 

次にnに関する和

G(|x-y|,z) \simeq z^{|x-y|+1} \sum_{n=0}^{\infty} c_n z^n

を、G(|x-y|,z)\propto z (z\rightarrow \infty)となるように総和を取らないといけないが方法は今のところ不明である。

c_nの第一項については、

G_1(|x-y|,z) \equiv z^{|x-y|+1} \sum_{n=0}^{\infty}  \frac{1}{2k}a [(n+|x-y|)^{-d/2}a^{n+|x-y|}\ z^n

G(|x-y|,z) \propto za \sum_{n=0}^{\infty} (n+|x-y|)^{-d/2}(az)^{n+|x-y|}

G(|x-y|,z) \equiv za f_1(az)

G(|x-y|,z) \propto za 

なので、第一項は無視してよいことが分かる。

追記(2022/09/02):少し進展があった。詳細は以下の記事で。

 

sky-time-math.hatenablog.jp