級数の極限値と総和法の関係について
指数関数とパデ近似と極限
指数関数の級数展開での極限を考えてみよう。
……①
パデ近似を用いて、関数列を生成すると、
……②
……③
……④
などが考えらえる。ところが、①式の右辺の極限値を先にとると、級数の次数の増加に関係なく、②の場合は、で明らかに0に収束し、④の場合は、では明らかに正の無限だいに発散する。
このように、級数の極限値をとるとき、どのような総和法を選択するかによって、値が変わってくるのだ。ちなみに、
となる。言いたいことは、指数関数という無限遠で明らかに発散しそうな関数でさえ、総和法の取り方次第で、極限値がかわってしまうのだ。それどころか多点総和法を用いれば、任意の値に収束させることができてしまう。
僕の今日書いた記事で、
総和法を問題点として提起して留まっているのもここに根本的な理由がある。級数と総和法の「自然な関係」とは一体なんなのだろうか?