流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

2009JMO本選1を解いてみた

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追記(2019/08/25):(4)式を少し修正しました。

2019JMO本選1

どうも「おはようございます」すると、「とある自然数を全て求めなければいけない」呪いにかかったようなので、以下の問題を解く。

解答

問題は

f(n) \equiv \frac{8^n+n}{2^n+n}……(1)

が「自然数になる場合を求めよ」である。

まずは、8^n+n2^n+nで割る。すると、

8^n+n=(2^n+n)(4^n-2^n n+n^2)+\frac{n-n^3}{2^n+n}……(2)

 となるので、

 \frac{n-n^3}{2^n+n}……(3)

が整数となるようなnを求めればよい。

g(n)=|2^n+n|-|n^3-n|=2^n-n^3+2n……(4)

とおく。n微分して、\log(2)\ge 1/2に注意して、

g'(n)=2^n \log (2)-3n^2 +2 \ge 2^{n-1} -3n^2 +2

ここで、g'(9) \gt 15 \gt 0なので、n \ge 9g'(n) \gt 0より、g(n)n \ge 9で単調増加関数となる。
ところで、

g(9)=-199
g(10)=44

なので、n \ge 10g(n)は正となる。従って、n \ge 10

  \left| \frac{n-n^3}{2^n+n} \right| \lt 1

となる。よって、n=1,2,\cdots,9の場合のみを調べればいい。(2)式より、

h(n) \equiv \frac{n-n^3}{2^n+n}

とおくと、

h(1)=0
h(2)=-1
h(3)=-\frac{24}{11}
h(4)=-3
h(5)=-\frac{120}{37}
h(6)=-3
h(7)=-\frac{112}{45}
h(8)=-\frac{21}{11}
h(9)=-\frac{720}{521}

上に現れている分数は全て既約分数である。よって、(2)式の右辺が整数になるn=1,2,4,6の場合を調べれば良い。

f(1)=3
f(2)=11
f(4)=205
f(6)=3745
したがって、求めるn

n=1,2,4,6

である。