【第12回関西すうがく徒のつどい】FoxQからの挑戦状1【解答】
FoxQからの挑戦状1
挑戦状シリーズ第一弾です。今回は複数題にわけることで難易度調整してみました。みなさん、問題を楽しんでいただけたでしょうか?楽しんでいただけたなら、とっても嬉しいです。では、問題のおさらいです。
……①
(1)のとき、①式を満たすを全て求めよ。
(2)のとき、①式を満たすを全て求めよ。
(3)のとき、①式を満たすは存在しないことを示せ。
twitterの問題も張り付けておきます。
[FoxQからの挑戦状1(解答は第12回つどい参加者限定です)]
— FoxQ (@foxq_stm) October 26, 2019
p,q,rを素数、kを自然数とし、次の式を考える。
p^2+[(2^k)q]^2=r^2……①
(1)k=1のとき、①式を満たすp,q,rを求めよ。
(2)k=2のとき、①式を満たすp,q,rを求めよ。
(3)k≧3のとき、①式を満たすp,q,rは存在しないことを示せ。#kansaimath
解答
とが互いに素でないとすると、素数なので。また、左辺がで割れるので、となるが、このとき、
……(0.1)
となり、矛盾。また、としても、同様にして矛盾が導かれる。よって、とは互いに素なので、①式のは原始ピタゴラス数となる。従って、互いに素な自然数を用いて、
……(0.2)
……(0.3)
……(0.4)
と表せる。
(1)の解答
のとき、(0.3)式よりなので、が素数であることに注意すると、
……(1.1)
となる。また、(0.2)式より、
……(1.2)
ここで、が素数であるためには、すなわち
……(1.3)
でなくてはいけない。このとき、
……(1.4)
更に、(0.4)式より、
……(1.5)
より、求める答えは
……(1.6)
(2)の解答
のとき、(0.3)式より、なので、
……(2.1)
このとき、(0.2)式より、
……(2.2)
ここで、が素数であるためには、すなわち
……(2.3)
でなくてはいけない。このとき、
……(2.4)
更に、(0.4)式より、
……(2.5)
より、求める解は、
……(2.6)
(3)の解答
のとき、(0.3)式より、なので、互いに素なとして次の3通りの可能性が考えられる。
(i)
(ii)
(iii)
(i)の場合、(0.2)式より、
……(3.1)
は明らかに合成数なので、矛盾。
(ii)の場合、
……(3.2)
より、が素数であるためには、
……(3.3)
……(3.4)
でなければならない。ここで、を法として考えると、(3.3)(3.4)式より、のいずれかはの倍数でなければならない。すなわち、は素数なので、どちらかはとなる。
まず、だった場合、
……(3.5)
となり矛盾。
次に、だった場合、
……(3.6)
となり矛盾。
(iii)の場合、
……(3.7)
より、が素数であるためには、
……(3.8)
……(3.9)
でなければならない。ここで、を法として考えると、(3.8)(3.9)式より、のいずれかはの倍数でなければならない。
まず、だった場合、
……(3.10)
となり矛盾。
次に、だった場合、
……(3.11)
となる。このとき、
……(3.12)
更に、(0.4)式より、
……(3.13)
となり、となるから、が素数でないので矛盾。以上より、題意は示された。