流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

整数問題bot②の自作問題を解いてみた1

整数問題bot②の自作問題

今回もtwitterで見かけた以下の問題を解いてみた。なかなか手ごわい問題だった。

解答

問題は、

p^n-1=m^5+m^4……(1.1)

を満たす正の整数[tex;m,n]を全て求めよである。

m=1のとき、

p^n=3
\Rightarrow p=3,n=1……(1.2)

がわかる。次に、m=2のとき、

p^n=32+16+1=49より

p=7,n=2……(1.3)

がわかる。これで、解

(m,n)=(1,1),(2,2)……(1.4)

が求まった。これ以外に解のないことを示す。以後、m\ge 3として矛盾を導く。

因数分解合同式

p^n=m^5+m^4+1=(m^2+m+1)(m^3-m+1)……(2.1)

因数分解できる。m\ge 3より、

m^2+m+1\ge 13 \not= 1……(2.2)
m^3-m+1 \ge m^3+1 \ge 28 \not= 1……(2.3)

より、m^2+m+1,m^3-m+1pの冪乗であって、1でない。従って、pを法として、

m^2+m+1\equiv 0 かつ m^3-m+1\equiv 0……(2.4)

である。上の2式の差をとると、

0\equiv(m^3-m+1)-(m^2+m+1)=m(m^2-m-2)=m(m+1)(m-2)……(2.5)

因数分解できる。

場合分けと合同式

(2.5)式より、pを法として

m\equiv 0
m\equiv -1
m\equiv 2

となる。

①の場合、(2.4)式より、

1 \equiv 0 (\bmod p)……(3.1)

より、これを満たす素数pは存在しないので矛盾。

②の場合、(2.4)式より、

(-1)^2-1+1\equiv 1\equiv 0 (\bmod p)……(3.2)

より、これを満たす素数pは存在しないので矛盾。

 ③の場合(2.4)式より、

2^2+2+1=7 (\bmod p)……(3.3)

より、これを満たす素数p7である。(2.4)式より、

2^3-2+1\equiv 7 \equiv 0 (\bmod 7)……(3.4)

となるので、無矛盾である。よって、m\ge 3ならば、p=7である。

再び場合分けと合同式

(2.1),(2.2),(2.3)式より、

m^2+m+1 = 7^k (k\ge 2)……(4.1)
m^3-m+1 = 7^l (l \ge 2)……(4.2)

と表せる。そこで、法を49として、(法を7とした時と同様にして、)

m^2+m+1\equiv 0 (\bmod 49) かつ m^3-m+1\equiv 0 (\bmod 49)……(4.3)

 である。再び、差をとって、

0\equiv m(m+1)(m-2) (\bmod 49)……(4.4)

 を得る。ところで、m-2のみが7で割れたので、m-2のみが49で割れる。つまり、

m-2\equiv 0 (\bmod 49)
\Rightarrow m \equiv 2 (\bmod 49)……(4.5)

となる。ところが、(4.3)式より、法を49として、

2^2+2+1 \equiv 7 \equiv 0 (\bmod 49)……(4.6)

となり矛盾。よって、m\ge 3の解はない。

求める解

以上より、求める解は、(1.4)式より

(m,n)=(1,1),(2,2)……(5.1)

のみである。