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【2021年】謹賀新年自作問題ファイナル

2021/06/01解答

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問題

 解答

与式を変形して、

p^{11}+p^2+pq^2=q^4r^2+q^2r…①

となる。

p,q,rが全て奇数とすると、左辺が奇数、右辺が偶数となるので、矛盾。よって、p,q,rの内1つだけが2である。

 

r=2とすると右辺は偶数であるが、p,qは奇数なので左辺は奇数となり矛盾する。よって、r\ge 2

 

q=2とする。このとき、①式より、

p^{11}+p^2+4p=4r(4r+1) ……②

が成立する。

このとき、

4r \ge p^{11/2}とすると、

p^{11}+p^2+4p \ge p^{11}+p^{11/2}

p^2+4p \ge p^5 

 これは、p\ge 5より矛盾。よって、

4r \lt p^{11/2} \lt \lceil p^{11/2} \rceil

同様にして、4r \le p^{11/2}-1を考えて、

\lfloor p^{11/2}\rfloor -1 \lt 4r \lt \lceil p^{11/2} \rceil=\lfloor p^{11/2} \rfloor+1

と評価できる。よって、

4r=\lfloor p^{11/2} \rfloor

である。 p^{11/2} の整数部分をp^5 \lt a \lt p^6、小数部分を0 \lt b \lt 1とおくと、②式は、

p^{11}+p^2+4p=p(p^{10}+p+4)=a(a+1)

ここで、p素数なので、a+1pで割り切れる。

従って、ある整数0\lt k が存在して、

a+1=kp 

このとき、

p^{11}+p^2+4p=kp(kp-1)

p^{10}+p+4=k(kp-1)=pk^2-k……④

この式をkについて解くと、

k=\frac{1}{p}(1+\sqrt{4p^{10}+4p+17})

ここで、ルートの中身は平方数でなければならないが、ここで平方根の中身より小さな平方数と大きな平方数が順に、

(2p^5)^2,(2p^5+1)^2=4p^{10}+4p^5+1

となるため、平方数になりえないことがわかる。よって、矛盾。 従って、背理法により、q\neq 2である。

 

④以上より、p=2である。このとき、①式より、

2^{11}+2^2+2q^2=q^4r^2+q^2r

2^{11}+2^2=q^2(q^2r^2+r-2) 

2^2\times3^3\times 19=q^2(q^2r^2+r-2) 

平方因子に着目すると、q=3。このとき、

228=9r^2+r-2

0=9r^2+r-230

(r-5)(9r-46)=0

従って、素数r=5

よって、題意を満たす素数は、p=2,q=3,r=5

このとき、求める自然数は、

N=p^{11}+pq^2-q^2r=q^4r^2-p^2=43\times47=2021

すなわち、2021である。