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【別解】2009ウクライナ数学オリンピックを解いてみた

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2009ウクライナ数学オリンピック

今日もtwitterで見かけた問題を解いてみた。最近、平方数にこっているので目についたのが次の問題だ。

解いてみてから気づいたが、過去にも同じ問題を解いていた。

 

sky-time-math.hatenablog.jp

 

今回は別解を見つけたので、それを紹介する。

解答

問題は、

2p^2+p+9=m^2……(0)

を満たす素数pと正の整数mを求めよである。まずは、式変形して9を右辺に移項することで、

p(2p+1)=(m-3)(m+3)……(1)

となる。p素数なので、m-3,m+3のいずれかを割る。

pm-3を割る場合

整数tによって、

m-3=pt
\Rightarrow m=3+pt……(2)

と表せる。このとき(1)式より、

p(2p+1)=pt(pt+6)
\Rightarrow 2p+1=t(pt+6)
\Rightarrow (t^2-2)p=1-6t
\therefore p=\frac{1-6t}{t^2-2}……(3)

と変形する。*1ここで、t=-sと取り直すと、

p=\frac{1+6s}{s^2-2}……(4)

を得る。これが整数になるのは、

1+6s \gt s^2 -2 または s^2-2=\pm 1……(5)

の場合である。ここで、s^2-2=1s^2=3となり、sが整数とならないので不適。s^2-2=-1のとき、

s^2=1
\Rightarrow s=\pm 1……(6)

話を戻して、(5)式のもう一方の条件は、

f(s) \equiv s^2-2 -(6s+1)=s^2-6s-3 \lt 0……(7)

と表せる。

f(6)=-3
f(7)=4
f(0)=-3
f(-1)=4

従って、(7)式または(6)式が成立するのは、

-1 \le s \le 6

である。これを満たす整数sを(3)式に代入していくと、

s=-1 \Rightarrow p=5
s=0 \Rightarrow p=-\frac{1}{2}
s=1 \Rightarrow p=-7
s=2 \Rightarrow p=\frac{13}{2}
s=3 \Rightarrow p=\frac{19}{7}
s=4 \Rightarrow p=\frac{25}{14}
s=5 \Rightarrow p=\frac{31}{23}
s=6 \Rightarrow p=\frac{37}{34}

となり求める素数p

p=5

である。このとき、(2)式より、t=1なので、

m=3+5=8

である。

pm+3を割る場合

m+3=pt
\Rightarrow m=pt-3……(8)

このとき(1)式より、①と同様にして、

p(2p+1)=pt(pt-6)
\Rightarrow 2p+1=t(pt-6)
\Rightarrow (t^2-2)p=6t+1
\therefore p=\frac{6t+1}{t^2-2}……(3)

この式は、(4)式と等価なので、

t=-1のときのみ、pが正の整数になり、

p=5

である。このとき、(8)式より、

m=-5-3=-8

となるがmは正の整数であったので不適。

求める解

よって、求める解は、

p=5,m=8

である。

 

*1:ちなみに、tの2次式と見て、判別式から攻めようとするとスタート地点にもどってしまう。