原子ピタゴラス数の冪乗和が平方数になるか?
原始ピタゴラス数は、互いに素な自然数で、偶奇が異なるものを用いて、
で全て表される。前回の記事で、
原始ピタゴラス数の内、小さい2つをとする。このとき、
が平方数になるような自然数
を求めよという問題を考えれば、
以外の解を持つのは、
に限る。
というFoxQの予想をたてた。
今回の記事では、この予想をより大きなピタゴラス数に対してチェックしていく。
までの原始ピタゴラス数のチェック
今回はpythonによる数値計算*1で、の場合について、指数
の全ての組について調べた。なお、プログラムは以下にて公開している。
以下が、その結果である。計算の進捗状況を確認するため、の値を
ごとに出力している。解
以外を持つ
、その解の組
*2、解の個数の順に出力している。最後に、解
以外を持つ
のリストを出力している。
gist84b6566a8d532ed26c56fa3b53da08e8
予想に反して、解以外を持つ
は多く見つかった。FoxQの予想の反例が多く得られたのである。ところが、計算結果をよくよく見てみると、
を除き、解の個数が2つになっているという驚くべき性質が発見された。
新FoxQの予想
そこで、予想を新たに次のように変更する。
原始ピタゴラス数の内、小さい2つをとする。このとき、
が平方数になるような自然数
を求めよという問題を考えれば、
が解を3個以上持つのは、
の場合に限る。それ以外の場合の解はたかだか2個である。
この予想が正しいかどうかはまだわからないが、プロまたはアマチュアの数学者の証明を期待して待っている。最後に、、
で計算した結果を載せておく。*3計算の進捗状況を確認するため、
の値を
ごとに出力している。それ以外の出力に関しては上のプログラムと同様である。
gist1f305e2c5abc78b7f3fda7ca37aeab46
この結果は、新しい予想が成り立つことを支持している。