FoxQの予想の部分的証明([tex:s=2p^2,t=q^2]で[tex:p,q]が互いに素な奇素数の場合 )
原始ピタゴラス数
原始ピタゴラス数は、互いに素な自然数で、偶奇が異なるものを用いて、
……(1.1)
で全て表される。今回は、,,は互いに素な奇素数と表されるとき、何が言えるか検証してみたので、成果を報告する。
法を4としたとき
FoxQの予想は次のものである。
が平方数*1になる自然数の組は、の場合を除いて高々2通りである。今回は、この予想の証明を部分的な場合について行う。
まず、
……(2.1)
……(2.2)
である。
は偶数……(2.3)
が言えるので、
……(2.4)
とおく。また、
は平方数……(2.5)
である。
原子ピタゴラス数から原子ピタゴラス数へ
……(3.1)
なので、は再びピタゴラス数になっている。ここで、Wolfram Alphaによると、
である。*2つまり、は互いに素なので、は再び原始ピタゴラス数になっている。よって、ある偶奇の異なって互いに素な自然数の組が存在して、
……(3.3)
……(3.4)
……(3.5)
と表せる。 (3.4)より、可能なの組は
①
②
③
④
⑤
の5通りである。
③の場合
法をとして、が奇数なので
……(4.1)
……(4.2)
……(4.3)
が成り立つ。特に、でである。そこで、(4.3)の3通りの場合を括弧()で表すことにすると
……(4.4)
より矛盾。
④の場合
法をとして、③の場合と同様にして、
……(5.1)
より矛盾。
②の場合
法をとして、③の場合と同様にして、
……(6.1)
よって、である。このとき、(2.1)(3.3)式より、
……(6.2)
は明らかに不適。とすると、
……(6.3)
従って、(6.3)式より、なので、
……(6.4)
となり矛盾。
⑤の場合
法をとして、③の場合と同様にして、
……(7.1)
よって、である。このとき、(2.1)(3.3)式より、
……(7.2)
は明らかに不適。とすると
……(7.3)
また、より、
……(7.4)
従って、(7.3)(7.4)式より、
……(7.5)
となり矛盾。
①の場合
法をとして、③の場合と同様にして、
……(8.1)
よって、である。このとき、(2.1)(3.3)式より、
……(8.2)
よって、
……(8.3)
のとき明らかに成立。よって、は求める解の1つである。とすると、
……(8.4)
従って、(8.4)式より、なので、
……(8.5)
となり矛盾。
求まった解
以上より、互いに素で偶奇が異なる,から生成される原子ピタゴラス数に対して、
が平方数になる自然数の組は、(2.4)(8.3)式より、
のみである。
今回も解はのみとなったので、次回は以外に解の出てくる場合を調べたいと思います。
*1:は明らかに奇数である。
*2:ユークリッドの互除法がうまくできませんでした。やり方をわかった方がいたらどうか教えてください。