流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

2007カザフスタン数学オリンピックを解いてみた

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2007カザフスタン数学オリンピック

昨日の夜に見かけて、気になっていた問題だったので、今日解きました。

解答

p=qp\not=qの場合に分けて解く。

p\not=qの場合

q\gt pとして一般性を失わない。まずは式変形をして、pで割れる形に持っていきます。

p(p+1)+q(q+1)=r(r+1)
p(p+1)=r^2-q^2+r-q
p(p+1)=(r-q)(r+q)+r-q
p(p+1)=(r-q)(r+q+1)……(1.1)

p素数なので、法をpとして

r-q\equiv 0……(1.2)

または

r+q+1 \equiv 0……(1.3)

が成り立つ。(1.2)の場合、(1.1)式より明らかに、r \gt qなので、

r=q+pk(k\ge1)……(1.4)

と表せる。この式を(1.1)式に代入して整理すると、

p^2+p+q^2+q=q^2+p^2k^2+2pqk+q+pk
(k^2-1)p^2+(2qk+k-1)p=0……(1.5)

となるが左辺は正なので矛盾。同様にして、(1.1)式をpqの役割を入れ替えて変形すると、

q(q+1)=(r-p)(r+p+1)……(1.6)

となり、 

法をqとして

r-p\equiv 0……(1.7)

または

r+p+1 \equiv 0……(1.8)

が成り立つ。(1.7)式は、(1.2)式の場合と全く同様にして矛盾が導けるので、(1.3)かつ(1.8)が成り立つ。従って、改めてk,l自然数として

r+q+1=pk……(1.9)
r+p+1=ql……(1.10)

と表せる。(1.9)式から(1.10)式を引くと、

q-p=pk-ql
q(l+1)=p(k+1)……(1.11)

ここで仮定より、p\not= qであったので、g=\gcd(l+1,k+1)とおくと、

l+1=pg
k+1=qg
l=pg-1
k=qg-1……(1.12)

となる。*1これを(1.9)式に代入して、

r=pqg-p-q-1
r^2=p^2q^2g^2-2p^2qg-2pq^2g+p^2+q^2+2p+2q+1……(1.13)

これを(1.1)式に代入して、整理すると、

0=p^2q^2g^2-2p^2qg-2pq^2g+pqg
0=pqg-2p-2q+1
q(pg-2)=2p-1……(1.14)

pg=2のとき、p=2,g=1で(1.14)式は0=3となり矛盾するので、pg-2\not= 0であり、両辺をpg-2で割れる。q\gt pとしていたことを思い出すと不等式による評価を得る。

q=\frac{2p-1}{pg-2}\gt p
2p-1 \gt gp^2-2p
0\gt gp^2-4p-1 \equiv f(p)……(1.15)

最後の行でf(p)を定義した。g=1のとき、

f(0)=1
f(1)=-2
f(3)=-2
f(4)=1……(1.16)

より、(1.15)の不等式を満たす素数pは、p\not= 2であったことを思い出すと、

p=3……(1.17)

のみである。このとき、(1.13)(1.15)より、

q=5,r=15-3-5-1=6……(1.18)

となり、r素数でないので矛盾。g\ge 2のとき、(1.15)の不等式を満たす素数pの範囲はg=1の場合に比べて明らかに狭くなる。よって、p\not=qの場合に解は存在しない。

p=qの場合

 (1.1)式より、

2p(p+1)=r(r+1)……(2.1)

これより、

r=2……(2.2)

または

r+1 = 2k(k\ge 1)……(2.3)

が成り立つ。r=2のとき、

p(p+1)=3……(2.4)

となり、p素数であるので矛盾。r+1=2kのとき、(2.1)式より、

p(p+1)=k(2k-1)……(2.5)

従って、法をpとして、

2k-1 \equiv 0……(2.6)

または

k\equiv 0……(2.7)

が成り立つ。(2.6)の場合、改めて

2k-1=pl(l\ge 1)……(2.8)

と表せるので、これを2\times(2.5)式に代入すると、

2p(p+1)=pl(pl+1)
2(p+1)=l(pl+1)
(l^2-2)p=2-l……(2.9)

ここで、lは整数なのでl^2-2\not= 0より、両辺がl^2-2で割れて、

p=\frac{2-l}{l^2-2}……(2.10)

を得る。ところが、

l=1\Rightarrow p=-1
l=2\Rightarrow p=0
l\ge 3\Rightarrow p \lt 0……(2.11)

となり、p素数であったことに矛盾する。よって、(2.7)式が可能性として残る。このとき、

k=pl……(2.12)

と表せるので、先程と同様にして、

p(p+1)=pl(2pl-1)
p+1=2l^2p-l
(2l^2-1)p=l+1
p=\frac{l+1}{2l^2-1}……(2.13)

ここで、仮定より、p=qであったことを思い出すと、

l=1\Rightarrow p=q=2

(2.1)式より、
2\cdot 2 \cdot 3 =r(r+1)
r^2+r-12=0
(r-3)(r+4)=0……(2.14)

より、r=3が解となる。また、l\ge 2のとき、(2.13)式は、

p \lt 1……(2.15)

となるので、これ以外の解は存在しない。よって、求める解は、

(p,q,r)=(2,2,3)

である。

*1:s=\frac{l+1}{g},t=\frac{k+1}{g}とおくと、(1.11)式はqs=ptとなり、s,tが互いに素なので、s=p,t=qが言え、(1.12)式が従う。

2002ギリシャ数学オリンピックを解いてみた。

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2002ギリシャ数学オリンピック

昼ごはん後の休憩として、解いてみた。

解答

問題は、

xy+yz+zx-xyz=2……(1)

である。x=1のとき、

y+yz+z-yz=2
y+z=2……(2)

より、y,zが正の整数なので、求める解の1組は

(x,y,z)=(1,1,1)……(3)

となる。x=2のとき、

2y+yz+2z-2yz=2
2(y+z-1)=yz……(4)

従って、y,zのいずれかは偶数である。yが偶数であるとして、y=2k(k \ge 1)とおくと、

2k+z-1=kz
y-1=(k-1)z……(5)

となるが、これは、z\ge y \ge x \ge 2であったので、y-1,k-1\ge 1となり、矛盾。従って、zが偶数であるので、これを改めてz=2k(k \ge 1)とおくと、

y+2k-1=yk
k(y-2)=y-1……(6)

ここで、y-2=0ならば、(6)式は0=1を導くので矛盾。従って、y-2\not= 0なので、(6)式の両辺をy-2で割って、

k=\frac{y-1}{y-2}……(7)

隣り合う2数は互いに素なので、kが整数となるためには、

y=3……(8)

でなくてはならない。このとき、k=2より、求める解の1つは、

(x,y,z)=(2,3,4)……(9)

である。以後、x\ge 3とする。さて、(1)式に戻ると、
2-yz=x(y+z-yz)……(13)

と変形できるので、y+z-yzが0になる場合と、そうでない場合に分けて解く。y+z-yz=0のとき、

z(1-y)=-y
z=\frac{y}{1-y}……(14)

ここで、隣り合う2数は互いに素なので、y,y-1は互いに素となり、z自然数にならない。よって、矛盾。したがって、(13)式の両辺は、y+z-yzで割れて、

x=\frac{yz-2}{yz-y-z}……(15)

となる。z \ge y \ge x \ge 3より、

3 \le x=\frac{yz-2}{yz-y-z} \le \frac{yz-2}{yz-6}……(16) 

を得るので、これを整理して、

 3yz -18 \le yz-2
 2yz \le 16
 yz \le 8……(17)

ところが、z \ge y \ge x \ge 3であったので、

yz\ge 9……(18)

となり、(17)(18)式は矛盾している。従って、x\ge 3の解はなく、求める解は、

(x,y,z)=(1,1,1),(2,3,4)……(19)

 のみである。

【第3回】FoxQからの出題3【2019/09/10出題】

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FoxQからの出題第3回

今回出題したのは以下の問題です。メルセンヌ数が途中で出てくるのがおしゃれポイントです。

今回の正答者はイナバノクロウサギ (@kunne_isepo)さんでした。おめでとうございます!

 

詳細な解答例

問題は、

(p^2-4p-2)^6=416p^n+(-36p-1)^n……(1)

である。まず、p=2とすると、(1)式は偶数=偶数+奇数となって矛盾。よって、pは奇素数、このとき、

p^2\equiv 1 (\bmod 4)

なので、法を4として(1)式は、

(1-2)^6\equiv 1 \equiv (-1)^n

となる。よって、nは偶数である。

次に法をpとして(1)式を見ると、

(-2)^6\equiv(-1)^n\equiv 1
\Rightarrow 2^6-1\equiv 0
\Rightarrow (2^3-1)(2^3+1)=7\times3^2 (\bmod p)

従って、

p=3,7

のいずれかである。

p=7の場合

p^2-4p-2=19

である。n=2のとき、法を19として

0\equiv19^6 \equiv 17\times 49 +253^2
\Rightarrow 0\equiv 17\times 11 +6^2
\Rightarrow 0\equiv 17\times 11 +17
\Rightarrow 0\equiv 17\times12\equiv 17\times2^2\times 3

より矛盾。よって、n\ge 4

 8000= 20^3 \gt 19^3
 253^2 \gt 200^2 =40000

より、

19^6 \gt 20^6 \gt 200^4 \gt (253)^4

となる。したがって、(1)式

(19)^6=416\times19^4+(253)^4

は成り立たず矛盾。

p=3の場合

p^2-4p-2=-5

である。n=2のとき、法を5として

0\equiv 5^6 \equiv 1\times 3^2 +109^2
\Rightarrow 0\equiv 9 +4^2\equiv 25

で、無矛盾。よって、n=2の場合を調べると、

5^6=(5^3)^2=(100+25)^2=15625
416\times 3^2 =3744
109^2=(100+9)^2=11881

より、

5^6=416\times 3^2 +(-36\times 3 -1)^2

が成立する。(1)式はnの狭義単調増加関数なので、p=3で(1)式を満たすn\ge 4は存在しない。よって、求める解は、

(p,n)=(3,2)

である。

ディオファントス近似のプログラムを書いてみた【tan1°を有理数で近似する試み】

Amazon.co.jp: Yoshiki Ueoka:作品一覧、著者略歴

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ディオファントス近似

ディオファントス近似とは、ざっくり言うと無理数有理数で近似する方法である。*1
例えば、円周率\piについては、

\pi \simeq \frac{355}{113}=3.1415929204...
\pi \simeq \frac{103993}{33102}=3.141592653011903...

等がある。

プログラム

プログラムを書くにあたって、はじめての数論31章と下記のサイトを参考にしました。ありがとうございます。

qiita.com

作成したプログラムは下記にて公開しているので、改変自由でご自由にお使いください。

github.com

使い方はalphaに近似したい無理数を代入し、Nの値をいろいろと変えていくと、既約分数による近似が得られます。Nの値が大きい程、精度は良くなりますが計算時間がかかります。

いくつかの例

今回のプログラムで計算した例をいくつか紹介する。以下は、N=10,10^2,10^3,10^4で計算した結果である。*2なるべく精度の高い方から順に書いておく。

\sqrt{13}=3.605551275463989...
         \simeq \frac{23382}{6485}=3.60555127216665384...
         \simeq \frac{649}{180}=3.6055555555555556...
         \simeq \frac{256}{71}=3.6056338028169015...
         \simeq \frac{18}{5}=3.6

円周率の例も再現できた。

 \pi \simeq \frac{355}{113}
     \simeq \frac{22}{7}=3.142857142857143...

ここからは、未知の領域へ。まずは、ネイピア数

\mathrm{e} = 2.718281828459045...
   \simeq \frac{23225}{8544}=2.7182818352059925...
   \simeq \frac{25946}{9545}=2.7182818229439496... 
   \simeq \frac{1457}{536}=2.718283582089552...
   \simeq \frac{193}{71}=2.7183098591549295... 
   \simeq \frac{19}{7}=2.7142857142857144... 

無理数\tan 1^{\circ}*3も敢えて有理数で近似してみた。1/57で近似できたのは驚きだった。

\tan 1^{\circ} = 0.017455064928217585...
            \simeq \frac{169}{9682}=0.0174550712662673...
            \simeq \frac{100}{5729}=0.017455053237912375...
            \simeq \frac{1}{57}=0.017543859649122806...

最後に、\pi^{\mathrm{e}}{\mathrm{e}}^{\pi}

\pi^{\mathrm{e}}=22.45915771836104...
      \simeq \frac{158921}{7076}=22.459157716223856...
      \simeq \frac{2201}{98}=22.459183673469386...
      \simeq \frac{1370}{61}=22.459016393442624...
      \simeq \frac{45}{2}=22.5

{\mathrm{e}}^{\pi}=23.140692632779263...
     \simeq \frac{10691}{462}=23.14069264069264... 
     \simeq \frac{1481}{64}=23.140625  
     \simeq \frac{162}{7}=23.142857142857142...  

こんな感じに、いろんな無理数を近似することができます。みなさんも暇でやることがない時は、このプログラムを使って、いろんな無理数有理数で近似して遊んでみてください。それでは。

*1:はじめての数論31章より。

*2:小数点以下切り捨てている部分は四捨五入してある。

*3:2006年京都大学の入試問題より

2012年第二回東大オープン3を解いてみた

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2019/09/19追記:みをつくしさんが間違いを指摘してくれたので、修正しました。ありがとうございました。

2012年第二回東大オープン3

今日は本を読む気がなかなかおきなくて数学できていないので、twitterの数学をしました。

解答

まずは、式変形する。

x^2-p^n x +q^n=0
x(p^n -x)=q^n……(1.1)

このとき、

x=1,p^n-x=q^n
x=q^n,p^n-x=1
x\equiv 0,p^n-x\equiv 0 (\bmod q)

の3通りのパターンがあり得る。

①の場合

p^n-1=q^n……(2.1)

ここで、p,qの偶奇は異ならなければいけないことがわかる。q\lt pより、

q=2……(2.2)

である。また、nが偶数のとき、n=2k(k \ge 1)とおくと、

(p^k-2^k)(p^k+2^k)=1……(2.2)

となり、これを満たすpは明らかに存在しないので矛盾。nが奇数のとき、

p^n=2^n+1=(2+1)(1-2+2^2-\cdots+2^{n-1})……(2.3)

因数分解できる。ここで、n\ge 3とすると

1-2+2^2-\cdots+2^{n-1}=p^{n-1}
1-2+2^2-\cdots-2^{n-2}=p^{n-1}-2^{n-1}
-1-2^2-2^4 \cdots - 2^{n-3}……(2.4)

となるが右辺は正で、左辺は負となるので矛盾。よって、n=1

(p,q,n)=(3,2,1)……(2.5)

である。

②の場合

p^n-q^n=1……(3.1)
p,qの偶奇はことなり、p \gt qなので、q=2。従って、

p^n=2^n+1 ……(3.2)

この式は(2.3)式と同じなので、求めるp,q,nも①の場合と同じである。

③の場合

p^n\equiv 0 (\bmod q)……(4.1)

 より、p,q素数なので、

p=q……(4.2)

である。(1.1)式より、k+l=n(n-1 \ge k,l \ge 1)となる自然数によって、

x=p^k,p^n-x=p^l……(4.3)

と表せる。x=p^kを右の式に代入して、

p^n-p^k=p^l
p^k(p^{n-k}-1)=p^l……(4.4)

ここで、n-k\ge 1なので、

p^{n-k}-1\equiv -1 \not\equiv p……(4.5)

なので、p^{n-k}-1pで割り切れない。従って、

p^{n-k}-1=1
p^{n-k}=2……(4.6)

でなければいならない。よって、これを満たす(p,q,n)は、

(p,q,n)=(2,2,2)……(4.7)

求める解

以上より、求める解は、

(p,q,n)=(3,2,1),(2,2,2)……(5.1)

 のみである。

整数問題bot②の自作問題を解いてみた1

整数問題bot②の自作問題

今回もtwitterで見かけた以下の問題を解いてみた。なかなか手ごわい問題だった。

解答

問題は、

p^n-1=m^5+m^4……(1.1)

を満たす正の整数[tex;m,n]を全て求めよである。

m=1のとき、

p^n=3
\Rightarrow p=3,n=1……(1.2)

がわかる。次に、m=2のとき、

p^n=32+16+1=49より

p=7,n=2……(1.3)

がわかる。これで、解

(m,n)=(1,1),(2,2)……(1.4)

が求まった。これ以外に解のないことを示す。以後、m\ge 3として矛盾を導く。

因数分解合同式

p^n=m^5+m^4+1=(m^2+m+1)(m^3-m+1)……(2.1)

因数分解できる。m\ge 3より、

m^2+m+1\ge 13 \not= 1……(2.2)
m^3-m+1 \ge m^3+1 \ge 28 \not= 1……(2.3)

より、m^2+m+1,m^3-m+1pの冪乗であって、1でない。従って、pを法として、

m^2+m+1\equiv 0 かつ m^3-m+1\equiv 0……(2.4)

である。上の2式の差をとると、

0\equiv(m^3-m+1)-(m^2+m+1)=m(m^2-m-2)=m(m+1)(m-2)……(2.5)

因数分解できる。

場合分けと合同式

(2.5)式より、pを法として

m\equiv 0
m\equiv -1
m\equiv 2

となる。

①の場合、(2.4)式より、

1 \equiv 0 (\bmod p)……(3.1)

より、これを満たす素数pは存在しないので矛盾。

②の場合、(2.4)式より、

(-1)^2-1+1\equiv 1\equiv 0 (\bmod p)……(3.2)

より、これを満たす素数pは存在しないので矛盾。

 ③の場合(2.4)式より、

2^2+2+1=7 (\bmod p)……(3.3)

より、これを満たす素数p7である。(2.4)式より、

2^3-2+1\equiv 7 \equiv 0 (\bmod 7)……(3.4)

となるので、無矛盾である。よって、m\ge 3ならば、p=7である。

再び場合分けと合同式

(2.1),(2.2),(2.3)式より、

m^2+m+1 = 7^k (k\ge 2)……(4.1)
m^3-m+1 = 7^l (l \ge 2)……(4.2)

と表せる。そこで、法を49として、(法を7とした時と同様にして、)

m^2+m+1\equiv 0 (\bmod 49) かつ m^3-m+1\equiv 0 (\bmod 49)……(4.3)

 である。再び、差をとって、

0\equiv m(m+1)(m-2) (\bmod 49)……(4.4)

 を得る。ところで、m-2のみが7で割れたので、m-2のみが49で割れる。つまり、

m-2\equiv 0 (\bmod 49)
\Rightarrow m \equiv 2 (\bmod 49)……(4.5)

となる。ところが、(4.3)式より、法を49として、

2^2+2+1 \equiv 7 \equiv 0 (\bmod 49)……(4.6)

となり矛盾。よって、m\ge 3の解はない。

求める解

以上より、求める解は、(1.4)式より

(m,n)=(1,1),(2,2)……(5.1)

のみである。

【別解】2009ウクライナ数学オリンピックを解いてみた

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2009ウクライナ数学オリンピック

今日もtwitterで見かけた問題を解いてみた。最近、平方数にこっているので目についたのが次の問題だ。

解いてみてから気づいたが、過去にも同じ問題を解いていた。

 

sky-time-math.hatenablog.jp

 

今回は別解を見つけたので、それを紹介する。

解答

問題は、

2p^2+p+9=m^2……(0)

を満たす素数pと正の整数mを求めよである。まずは、式変形して9を右辺に移項することで、

p(2p+1)=(m-3)(m+3)……(1)

となる。p素数なので、m-3,m+3のいずれかを割る。

pm-3を割る場合

整数tによって、

m-3=pt
\Rightarrow m=3+pt……(2)

と表せる。このとき(1)式より、

p(2p+1)=pt(pt+6)
\Rightarrow 2p+1=t(pt+6)
\Rightarrow (t^2-2)p=1-6t
\therefore p=\frac{1-6t}{t^2-2}……(3)

と変形する。*1ここで、t=-sと取り直すと、

p=\frac{1+6s}{s^2-2}……(4)

を得る。これが整数になるのは、

1+6s \gt s^2 -2 または s^2-2=\pm 1……(5)

の場合である。ここで、s^2-2=1s^2=3となり、sが整数とならないので不適。s^2-2=-1のとき、

s^2=1
\Rightarrow s=\pm 1……(6)

話を戻して、(5)式のもう一方の条件は、

f(s) \equiv s^2-2 -(6s+1)=s^2-6s-3 \lt 0……(7)

と表せる。

f(6)=-3
f(7)=4
f(0)=-3
f(-1)=4

従って、(7)式または(6)式が成立するのは、

-1 \le s \le 6

である。これを満たす整数sを(3)式に代入していくと、

s=-1 \Rightarrow p=5
s=0 \Rightarrow p=-\frac{1}{2}
s=1 \Rightarrow p=-7
s=2 \Rightarrow p=\frac{13}{2}
s=3 \Rightarrow p=\frac{19}{7}
s=4 \Rightarrow p=\frac{25}{14}
s=5 \Rightarrow p=\frac{31}{23}
s=6 \Rightarrow p=\frac{37}{34}

となり求める素数p

p=5

である。このとき、(2)式より、t=1なので、

m=3+5=8

である。

pm+3を割る場合

m+3=pt
\Rightarrow m=pt-3……(8)

このとき(1)式より、①と同様にして、

p(2p+1)=pt(pt-6)
\Rightarrow 2p+1=t(pt-6)
\Rightarrow (t^2-2)p=6t+1
\therefore p=\frac{6t+1}{t^2-2}……(3)

この式は、(4)式と等価なので、

t=-1のときのみ、pが正の整数になり、

p=5

である。このとき、(8)式より、

m=-5-3=-8

となるがmは正の整数であったので不適。

求める解

よって、求める解は、

p=5,m=8

である。

 

*1:ちなみに、tの2次式と見て、判別式から攻めようとするとスタート地点にもどってしまう。