流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

2014ギリシャ数学オリンピック

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問題

今日は久しぶりに、暇つぶしに流れてきた整数問題bot②の問題を解いてみた。

解答

n=1,2,3のとき、与式はそれぞれ、-17/4,-9/5,-1/6となり題意を満たさない。以後、n\ge 4とする。

与式の3乗根の有理数kとおくと、与式は正となるので、[tex;k]は正である。

\frac{8n-25}{n+3}=k^3

これをnについて解くと、

n=\frac{25+k^3}{8-k^3}

となる。右辺の分子が正であることに注意すると、nは正の整数なので、分母も正でなければならない。従って、

8-k^3\ge 0

0 \le k\le 2

となる。そこで、互いに素な正の自然数l,mを用いて、

k=\frac{m}{l}

と表すと、この不等式は、

0\le m \le 2l

この不等式を用いて、nを不等式で上から評価すると、

n=\frac{25l^3+m^3}{8l^3-m^3}

\le \frac{25l^3+8l^3}{8l^3-0}

\le \frac{33l^3}{8l^3}

\le \frac{33}{8}

従って、

n\le 4

となる。最後に、n=4のとき、与式は、1となり、有理数の3乗になっている。解はこれのみである。

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【2021年】謹賀新年自作問題ファイナル

2021/06/01解答

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問題

 解答

与式を変形して、

p^{11}+p^2+pq^2=q^4r^2+q^2r…①

となる。

p,q,rが全て奇数とすると、左辺が奇数、右辺が偶数となるので、矛盾。よって、p,q,rの内1つだけが2である。

 

r=2とすると右辺は偶数であるが、p,qは奇数なので左辺は奇数となり矛盾する。よって、r\ge 2

 

q=2とする。このとき、①式より、

p^{11}+p^2+4p=4r(4r+1) ……②

が成立する。

このとき、

4r \ge p^{11/2}とすると、

p^{11}+p^2+4p \ge p^{11}+p^{11/2}

p^2+4p \ge p^5 

 これは、p\ge 5より矛盾。よって、

4r \lt p^{11/2} \lt \lceil p^{11/2} \rceil

同様にして、4r \le p^{11/2}-1を考えて、

\lfloor p^{11/2}\rfloor -1 \lt 4r \lt \lceil p^{11/2} \rceil=\lfloor p^{11/2} \rfloor+1

と評価できる。よって、

4r=\lfloor p^{11/2} \rfloor

である。 p^{11/2} の整数部分をp^5 \lt a \lt p^6、小数部分を0 \lt b \lt 1とおくと、②式は、

p^{11}+p^2+4p=p(p^{10}+p+4)=a(a+1)

ここで、p素数なので、a+1pで割り切れる。

従って、ある整数0\lt k が存在して、

a+1=kp 

このとき、

p^{11}+p^2+4p=kp(kp-1)

p^{10}+p+4=k(kp-1)=pk^2-k……④

この式をkについて解くと、

k=\frac{1}{p}(1+\sqrt{4p^{10}+4p+17})

ここで、ルートの中身は平方数でなければならないが、ここで平方根の中身より小さな平方数と大きな平方数が順に、

(2p^5)^2,(2p^5+1)^2=4p^{10}+4p^5+1

となるため、平方数になりえないことがわかる。よって、矛盾。 従って、背理法により、q\neq 2である。

 

④以上より、p=2である。このとき、①式より、

2^{11}+2^2+2q^2=q^4r^2+q^2r

2^{11}+2^2=q^2(q^2r^2+r-2) 

2^2\times3^3\times 19=q^2(q^2r^2+r-2) 

平方因子に着目すると、q=3。このとき、

228=9r^2+r-2

0=9r^2+r-230

(r-5)(9r-46)=0

従って、素数r=5

よって、題意を満たす素数は、p=2,q=3,r=5

このとき、求める自然数は、

N=p^{11}+pq^2-q^2r=q^4r^2-p^2=43\times47=2021

すなわち、2021である。

【2021年】謹賀新年自作問題その3

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 問題

 解答

p=2と仮定すると、

p^{11}+p^2=2^2\times3^3\times19

立方因子に着目すると、q=3

このとき、

q^3+25q^4=2^2\times3^3\times19

 よって、p=2,q=3は題意を満たす。

q=2と仮定すると、

q^3+25q^4=2^3\times3\times17

この自然数は、q=2以外で指数2以上の素因子を持たないので、不適。

q=5と仮定すると、

q^3+25q^4=2\times 3^2 \times 5^3 \times 7

平方因子に着目すると、p=3。このとき、

p^2+p^11=2^2\times 3^2 \times 7 \times 19 \times 37

よって、q\neq 5

以降、p\geq 3,q \geq 7とする。

 

式を整理して、

p^2(p^9+1)=q^3(1+25q)

p^2(p^3+1)(p^6-p^3+1)=q^3(1+25q)

p^2(p+1)(p^2-p+1)(p^6-p^3+1)=q^3(1+25q)

となる。

 

このとき、ある自然数\alphaが存在して、

p^9+1=(p+1)(p^2-p+1)(p^6-p^3+1)=q^3\alpha

26q \gt 1+25q=p^2\alpha \geq p^2…①

 

②前提より、p\neq q

 

p+1\equiv 0 (\mod q)と仮定する。

p\equiv -1 (\mod q)より、

p^2-p+1\equiv 1+1+1=3\neq 0 (\mod q)

p^6-p^3+1\equiv 1+1+1=3\neq 0 (\mod q)

なので、

p\equiv -1 (\mod q^3)

 つまり、不等式

2p \gt p+1\geq q^3

を得る。①式より、

104q \gt 4p^2 \geq q^6

104\gt q^5 \geq 3^5=243

となり、矛盾。従って、

p+1\neq 0 (\mod q)

 

p^2-p+1\equiv 0 (\mod q) と仮定する。

このとき、

p^2 \equiv p-1 (\mod q)より、

p^3\equiv p(p-1)=p^2-p\equiv p-1-p =-1 (\mod q)

p^6-p^3+1\equiv 1+1+1=3 \neq 0 (\mod q)

従って、

p^2-p+1 \equiv 0 (\mod q^3)

 となるので、

p^2 \gt p^2-p+1\geq q^3

ここで、①式より、

26q \gt p^2 \geq q^3

26 \gt q^2

5 \ge q

これはq\geq 7に矛盾。従って、

p^2-p+1\neq 0 (\mod q)

 

②、③、④より、

p^6-p^3+1\equiv 0 (\mod q^3)

p^6-p^3+1\geq q^3

となる。

 

p^6-p^3+1\equiv 0 (\mod q) と仮定する。

ここで、①式において、\alpha \geq 26と仮定すると、

26p^2\leq 1+25q \lt 26q

q \gt p^2

ここで、

p^6-p^3+1\geq q^3 \gt p^6

1 \gt p^3

となり、矛盾。従って、\alpha \lt 26。このとき、

p^6-p^3+1\lt \frac{26q^3}{(p+1)(p^2-p+1)} \lt \frac{26q^3}{(3+1)(3^2-3+1)}=\frac{26q^3}{28}\lt q^3

となり、矛盾。どの自然数\alphaについても矛盾が導かれたので、p^6-p^3+1\neq 0 (\mod q)

 

③、④、⑤より、

0\neq (p+1)(p^2-p+1)(p^6-p^3+1)=p^9+1\equiv 0 (\mod q)

となり、矛盾。従って、p\geq 3, q\geq 5素数p,qは題意を満たさない。

 よって、p=2,q=3のみが題意を満たす。

 このとき、求める自然数は、

N=25q^4-p^2=(5q^2-p)(5q^2+2)=(45-2)(45+2)=43\times47=2021

より、2021のみである。

 

【2021年】謹賀新年自作問題その2

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問題

 

 解答

最初の3式を足すと、

2(n+m+l)=pq(p+q+8)

最後の式をこの左辺に代入すると、

98pq=pq(p+q+8)

90=p+q

q=90-p

ここで、関数f(p)

f(p)=pq=p(90-p)

で定義すると、これはp=45で最大値を取る上に凸な関数である。よって、p=45に最も近い素数p=43,47が題意を満たす。この時、q=47,43なので

pqの最大値は、43\times47=2021となる。

 

【2021年】謹賀新年自作問題その1

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問題

 解答

n=pqなので、その約数は、1,p,q,pqである。よって、その総和は、

\sigma (n)=1+p+q+pq

ここから、n=pqを引くと、

\sigma (n)-n=1+p+q=91

p+q=90

q-pが最小になるのは、pqの値が最も近い時だ。pの候補として、qと近い自然数は順に、45,44,43となるが、p=43のとき初めて素数になり、q=90-p=47素数になるので、

n=43\times 47=2021

が求める自然数になる。

 

【素因数分解】円分多項式法の微改良とテスト計算

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前回の記事の円分多項式法のプログラムをさらに改良しました。

 

sky-time-math.hatenablog.jp

 

p\#_n素数階乗としたとき、

a_1=(p\#_n)^{(p\#_n^k)}-1

a_n=(a_{n-1})^{(p\#_n^k)}-1

を計算し、

gcd(a_n,N)

から素因数を計算して、N素因数分解するプログラムに少し改良?しました。

素数階乗に使う素数の個数、指数k、数列の個数nの順に入力すれば計算できます。nlistに素因数分解したい数のリストを入れてください。

テストでは、10桁×20桁の素因数分解を100個行います。成功確率は、100000個の素数k=9,n=1で、約50%です。平均計算時間は4.5秒です。

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