流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

とあるえぐい不定積分への多点総和法の応用

Amazon.co.jp: Yoshiki Ueoka:作品一覧、著者略歴

数学関連の絶版本・品切れ本をコチラから購入できます!

とある不定積分

 こんなやたらめったらごちゃごちゃした不定積分を見かけたので、多点総和法をテクニカルに使って初等関数で近似してみた。

 

近似関数

真数条件から0\lt x \lt 2で考える。

今回の導出課程は、非常に複雑になってしまったため、結果だけ載せる。考えすぎて、胃がやられたから勘弁してください。おそらく近似式の形から何をやったのかは想像つく人もごくわずかにいるはず……

 

0\lt x \le 1のとき、

f(x)\approx 0.2402(-1/4 \ln(18.01(1 - x)^2/x^2 + 21.84(1 - x)/x + 8.829)

- 0.2887\arctan(2.857(1 - x)/x + 1.732) - 1/4 \ln(18.01(1 - x)^2/x^2

- 21.84(1 - x)/x + 8.829) + 0.2887 \arctan(2.857(1 - x)/x - 1.732) + 1.694)^2

 タイプミスしてるかもしれないので、関数のスクショも貼っとく。

f:id:FoxQ:20210421004058p:plain

0<x≦1での2点パデ近似

 

1\le x \lt 2のとき、

 f(x)\approx - \ln(2) \ln(1 + u)^2/2 - \ln(2) \ln(1 - 1/2u^2 + 1/2u^3 - 0.694u^4)

u\equiv \frac{x-1}{2-x} 

 こっちもスクショ貼っときます。

f:id:FoxQ:20210421004231p:plain

1≦x<2での2点パデ近似

近似関数と数値積分の比較

近似関数を緑線、数値積分を赤線でプロットすると、次の図のようになる。

0\lt x \le 1のとき、

f:id:FoxQ:20210421000751j:plain

区間[0,1]の2点パデ近似

1\le x \lt 2のとき、

 

f:id:FoxQ:20210421000819j:plain

区間[1,2]の2点パデ近似の亜種

積分と特殊関数と多点総和法

今回やったような近似のやり方については、近々Kindleで本を出版する予定なので、

こうご期待ください。本のタイトルは、『積分と特殊関数~入門から漸近級数、多点総和法まで~』の予定です。

 

追記:出版されました!!

 

sky-time-math.hatenablog.jp