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【多点総和法】とある定積分を不定積分まで近似的に求めてみた【不定積分】

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問題

twitterでサイトーさん(@saitory_study)経由で見かけた無限区間の定積分を2点パデ近似できそうだったので、やってみることにした。問題は下のもので、今回は不定積分を近似します。

 

yujitomo.hatenablog.com

不定積分の2点パデ近似

結果だけ、有効数字四桁で貼っておきます。

\int_0^x \frac{\arctan(x^3)}{e^{2\pi x}-1} dx

≒0.003857 + \frac{-0.003857 - 0.01427x - 0.03189x^2}{1 + 3.699x + 8.267x^2 + 13.75x^3 + 18.47x^4 + 20.99x^5 + 21.66x^6 + 19.97x^7 + 16.41x^8 + 21.52x^9}

これを数値積分の結果と共にプロットすると、

f:id:FoxQ:20210504200426j:plain

数値積分と2点パデ近似による不定積分

このように、不定積分がよく2点パデ近似で近似できていることがわかる。また、x→∞での極限で得られる定積分は、2点パデ近似の性質により区間[0,∞]での厳密な定積分と一致する。

 

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