流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

【考察・解釈】水野あつさんの「たいたいな」【私的数学が捗る曲】

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数学が捗りそうな僕の推し曲

僕の好きな「水野あつ」さんの曲で数学が捗りそうな曲を紹介したい。「たいたいな」だ。

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数学が捗る曲チョイスで大切なのは、音楽のリズムとテンポ、そしてよく音楽と調和のとれた歌声だ。歌詞は自分が共感できるフレーズがはいっていると聴いてて落ち着くのでいい。

他にもおすすめ曲はたくさんある。例えば、「ろん」さんの歌ってる「40mP」さんの「トリノコシティ」などだ。

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「たいたいな」の個人的な考察・解釈

たいたいなの曲の考察・解釈が調べてもすぐに出てこなかったので、この曲が好きなので考察・解釈してみようと思う。

以下、歌詞引用と数式番号の代わりの歌詞番号

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【歌詞】

 

最低な僕だな、君に会いたいんだ

夜中独り未来(あす)を考えてるんだ

最低な僕だな、君を守れないね

苦しいんだ……①

 

最低な僕がさ、考えているのは

どうして僕は無価値なの……②

 

そんな事ばかりで……③

 

単純な自分に嫌気が刺している

悲しいね……④

 

そしてだんだんだんだん嫌いになってく

僕も君もいつかは老いぼれて死ぬんだろ

だんだんだんだん嫌いになってく

僕は君とたいたいたいな……⑤

 

最低な僕だな、君に会いたいんだ

夜中独り未来(あす)を考えてるんだ

最低な僕だな、君を守れないね

苦しいんだ……①'

 

最低な僕がさ、考えているのは

どうしてヒトは生きてるの……②'

 

そんな事ばかりで……③'

 

単純な自分に嫌気が刺している

悲しいね……④'

 

そしてだんだんだんだん嫌いになってく

僕も君もいつかは老いぼれて死ぬんだろ

だんだんだんだん嫌いになってく

僕は君とたいたいたいな……⑤'

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この曲の歌詞の1番(①~⑤)と2番(①'~⑤')は、基本的にほとんど歌詞は同じで、違いは②と②'の部分

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最低な僕がさ、考えているのは

どうして僕は無価値なの……②

 

最低な僕がさ、考えているのは

どうしてヒトは生きてるの……②'

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だけだ。この違いは、曲が進むにつれて「僕」の考えが歌詞にある通りだんだん深まっていっていることを意味していると考えられる。

 

それでは、①から順に考察していこう。

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最低な僕だな、君に会いたいんだ

夜中独り未来(あす)を考えてるんだ

最低な僕だな、君を守れないね

苦しいんだ……①

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まず「僕」は自分自身を最低だと評価している、時間帯は夜で独りぼっちで自分自身について考え耽っていることがわかる。未来と書いて「あす」と歌っていることから、この僕にとって遠い未来を思い描くことすら困難で、明日を生きるので精いっぱいだと思われる。

そして、君を守ることができない、そんな自分自身が最低だと考えている。このことから「君も」苦しんでいることがわかる、それが精神的なものか物質的なものかは推し量れないが、後の歌詞からおそらく精神的なものだと思われる。

この悩みで、「僕」は苦しんでいるし、おそらく「君」も苦しんでいる。だから、守れないという言葉が出てくる。「僕」にとって、君は守り「たい」存在だと主張している。

 

次に②に移ろう。

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最低な僕がさ、考えているのは

どうして僕は無価値なの……②

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ここで、考え悩んでいる内容が具体的に示される。どうして僕は無価値なのか。疑問符がついていないことから、すでに自分自身が無価値であると考えていて、その状況を嘆いている。①から、わかるように、「君」も苦しんでいることから、この悩みは「君」からもたらされたものだと考えられる。「君」から無価値だと直接または間接的に言われた

かそう考えざるを得ない状況に追い込まれたと予想される。この時点では、まだ「君」を守れないという現状を変えられない自分自身に価値がないと自分個人のことを考えているのだ。

 

次に、③~⑤

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そんな事ばかりで……③

 

単純な自分に嫌気が刺している

悲しいね……④

 

そしてだんだんだんだん嫌いになってく

僕も君もいつかは老いぼれて死ぬんだろ

だんだんだんだん嫌いになってく

僕は君とたいたいたいな……⑤

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③は考えが同じところを堂々巡りして、一向に前に進まないこと。

④に単純な自分と出てくるが、これは「君」を苦しみから守れない方法「さえ」見つけられれないことを意味している。ここで、「僕」にとって、「君」が大切な存在であることが改めて強調されている。「君」が誰よりも大切に思っていることは間違いないと確信しているからこそ、守る方法が見つけられないことに矛盾を感じて、自分が「単純」な存在に過ぎないからだ。単純がゆえに、無価値だと考えている。

⑤でだんだん嫌いになっていくのは、ここまでの歌詞からわかるように、「僕」自身だ。ここで、明日のことしか考えられなかった「僕」が「僕も君もいつかは老いぼれて死ぬんだろ」と遠い未来のことを言いだすのは、一見矛盾している。つまり、この言葉は、おそらく「僕」からでた言葉ではなく、表現の形は変わるかもしれないが「君」または「君の状況」から考えることとなった言葉だと思われる。つまり、「君」はなんらかの事情で「死」を意識して生きている。そして、おそらく「僕」に「いつかは死ぬんだよ」と言ったと思われる。つまり、自分自身が無価値だと考え始めたのは、「僕」ではなくて、「君」だと予想される。「ヒトはいつか死ぬから人生に意味はない」と「君」は考えている。「君」がこんなことを考えだしたのは、何かきっかけがあったのだろう。おそらく「君」にとって、身近な誰かの「死」などの不幸なことかかなり辛いことがあり、精神的に追い込まれた結果でた言葉だと思われる。

そして、そんな「君」を守れないから「僕」は自分自身をだんだん嫌いになっていくが、それでもまだ「君」の存在は「僕」にとって、大切で、「君と僕」で一緒に「~したい、~したい」といろいろなしたいことがたくさんあるんだと言っている。しかし、この~したいという言葉でも君を守れないということは、「僕」の「~したいという気持ち」を「君」が受け入れてくれない心情でいるからだということになる。つまり、いつか死ぬその日までしたいことはたくさんあると伝えているのに、それを「君」は否定している。つまり、「君」は生き続けることを表面上は否定する言葉を「僕」に投げかけていたと思われる。すなわち、「君」は生きる意味を見失ってしまったのだろう。夢か大切な人か何を失ったかはわからないが、「僕」にはそれをどうにかできるだけの答えがないのだ。

 

そして、2番へ続く。①'は1番と同じで、「僕」が考え悩んでいる。しかし、一番と決定的に違うのは続く②’での問いが「どうしてヒトは生きているの」とより一般的なものになっている点だ。

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最低な僕がさ、考えているのは

どうしてヒトは生きてるの……②'

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これは、「君」の悩みに真剣に向き合い続けた結果、「僕」も同じ悩み・苦しみを抱えるようになって、前よりずっと「君」によりそって悩んでいることを表している。

③④は1番と同じ解釈で、⑤は「君」の悩み・苦しみがついには「僕」自身の悩みとなっても、まだ一緒に生きてしたいことがたくさんあるという気持ちが消えいていないということを歌っている。そして、その気持ちを伝えきれないことで、「君」を救えないことで、だんだん自己嫌悪に陥っていく。頭(理屈)では「生きていく理由」を説明できないけど、「君」と一緒に生きたいと考えいている。頭では生きる理由を否定して矛盾しているとわかっていても、「生きて」したいことがたくさんあるという気持ちだけは確かにあるんだと変わらない気持ちを伝えて終わる。「君」を生きる苦しみから守るだけの言葉を紡げないけど、「僕」と「君」で一緒に生きていろんなことをしたいという純粋で単純な気持ちだけは確かにそこにあるのだ。