流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

【Kindle】多因数分解法【素因数分解】

Amazon.co.jp: Yoshiki Ueoka:作品一覧、著者略歴

 僕の新しい数学書が出版されました。

多因数分解法: ~素因数分解を考えよう~

多因数分解法: ~素因数分解を考えよう~

 

以下、本の紹介です。

15=3×5のように、ある自然数素数のかけ算に分解して表すことを素因数分解という。
素因数分解は、分解したい数が大きくなると急激に難しく面白い問題となる。
素因数分解への人類の挑戦の歴史は長く、その難しさのために現代でもRSA暗号に応用されるなどしている。
2つの巨大な数をかけ算することは簡単で合成数が1つ計算できる。
元のかける数を1つ知っていれば、合成数素因数分解することは簡単だが、しらなかったり忘れてしまうととてつもなく大変になってしまう。これはちょうど、ダイヤルキーの番号を忘れると開けるのに苦労することと似ている。

著者である上岡は、日々趣味の1つとして数学をしている。この本では素因数分解の新しい一手法として著者が考案した「多因数分解法」について、その着想にまで立ち戻って丁寧に解説している。
そのため、この本を読めば、1つの数学的手法が生まれる仮定を追体験することができるだろう。
著者は「多因数分解法」を用いて、20桁と素数二つの積からなる40桁の合成数素因数分解にすでに成功している。
この手法が今後どこまで発展しうるかについては未知数であり、また新しい派生が生まれる可能性もある。

いずれにせよ、この本を通して素因数分解という面白い問題を見つめ直すことで、楽しい数学の体験をできると期待している。「多因数分解法」のアイデアに刺激されて、別の新しいアイデアが生まれることも可能性もあるだろう。