流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

2013インド数学オリンピックを解いてみた

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追記(2019/08/24):(10)式の第1因子からs=0としたところに、証明の飛躍があったので修正しました。

2013インド数学オリンピック

今日はtwitterで見かけた以下の問題を解いていた。

因数分解と場合分け

まずは、因数分解していく作戦をとる。

m(4m^2+m+12)=3(p^n-1)
\Rightarrow 4m^3+m^2+12m+3=3p^n

これを強引に因数分解すると、

(4m+1)(m^2+3)=3p^n……(1)

となる。4m+13で割り切れる場合と、m^2+33で割り切れる場合に場合分けする。

4m+13で割り切れる場合

法を3として、

 4m+1 \equiv m+1 \equiv 0

よって、

m=3k-1 \; (k \ge 1)

と書ける。このとき、(1)式より、4m+13で割って、

p^n=(4k-1)(9k^2-6k+4)

を得る。よって、l(\le n)を正の整数として、

4k-1=p^l……(2)
9k^2-6k+4=p^{n-l}……(3)

と書ける。p5以上の素数なので、

l \ge 1
n-l \ge 1

である。(2)式より、

4k=p^l+1

これを(3)式に16をかけたものに代入して、

9(p^l-1)-24(p^l+1)+4=p^{n-l}
-p^{n-l}+9p^{2l}-6p^l=11……(4)

そこで、pを法とすると、l \ge 1n-l \ge 1に注意して、

0 \equiv 11 \; (\bmod p)

これを満たす素数pは、11のみである。
ところで、(4)式に戻って法を5にとると

p=11 \equiv 1

なので、

-1-1-1\equiv 1
\Rightarrow 2\equiv 1

となり、矛盾である。よって、4m+13で割り切れない。

m^2+33で割り切れる場合

 m^2 \equiv 0 \; (\bmod 3)

これは、m3の倍数であることを意味するので、

m=3k

とおく。(1)式に戻って、3で割ると、

p^n=(12k+1)(3k^2+1)……(5)

を得る。よって、l(\le n)を正の整数として、

12k+1=p^l……(6)
3k^2+1=p^{n-l}……(7)

と書ける。p5以上の素数なので、

l \ge 1
n-l \ge 1

である。また、

12k=p^l-1

なので、(7)式に48(=12 \times 4)をかけて、代入すると、

(p^l-1)^2+48=48p^{n-l}
\Rightarrow p^{2l}-2p^l+49=48p^{n-l}
\Rightarrow 49=48p^{n-l}-p^{2l}+2p^l

ここで、pを法とすると、 l \ge 1n-l \ge 1に注意して、

49=7^2 \equiv 0 (\bmod p)

を得る。これを満たす素数

p=7

のみである。(6)式より、

12k+1 \equiv 0 \; (\bmod 7)
\Rightarrow 5k \equiv 6 (\bmod 7)

gcd(5,7)=1なので、この方程式の解は7を法としてただ1つだけ存在する。その値は、

k \equiv 4 \; (\bmod 7) 

よって、sを正の整数として、

k=7s+4……(8)

と表せる。したがって、

m=3(7s+4)=21s+12……(9)

である。(5)式に(8)式を代入すると、

(21s+49)(3(7s+4)^2+1)=7^n
(21s+49)(147s^2+168s+49)=7^n……(10)

ここで、第1因子が7の冪乗になるためには、

(21s+49)=7(3s+7)

なので、u \ge 0を正の整数として、第1因子が7^{u+2}になったとすると

s=7 \times \frac{7^u-1}{3}……(11)

となる。これを(10)式の第2因子に代入すると、第2因子は、

49(7(7^u-1)+8(7^u-1)+1)
49(7^{u+1}+8\times 7^u-14)

これはu\ge1のとき明らかに7の冪乗にならない。よって、u=0で、(11)式より

s=0

となる。このとき、(9)式より、

m=12

また、(10)式より、

n=4

となる。

解答

よって、求める解は、

p=7,m=12,n=4

である。