流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

【第3回】FoxQからの出題3【2019/09/10出題】

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FoxQからの出題第3回

今回出題したのは以下の問題です。メルセンヌ数が途中で出てくるのがおしゃれポイントです。

今回の正答者はイナバノクロウサギ (@kunne_isepo)さんでした。おめでとうございます!

 

詳細な解答例

問題は、

(p^2-4p-2)^6=416p^n+(-36p-1)^n……(1)

である。まず、p=2とすると、(1)式は偶数=偶数+奇数となって矛盾。よって、pは奇素数、このとき、

p^2\equiv 1 (\bmod 4)

なので、法を4として(1)式は、

(1-2)^6\equiv 1 \equiv (-1)^n

となる。よって、nは偶数である。

次に法をpとして(1)式を見ると、

(-2)^6\equiv(-1)^n\equiv 1
\Rightarrow 2^6-1\equiv 0
\Rightarrow (2^3-1)(2^3+1)=7\times3^2 (\bmod p)

従って、

p=3,7

のいずれかである。

p=7の場合

p^2-4p-2=19

である。n=2のとき、法を19として

0\equiv19^6 \equiv 17\times 49 +253^2
\Rightarrow 0\equiv 17\times 11 +6^2
\Rightarrow 0\equiv 17\times 11 +17
\Rightarrow 0\equiv 17\times12\equiv 17\times2^2\times 3

より矛盾。よって、n\ge 4

 8000= 20^3 \gt 19^3
 253^2 \gt 200^2 =40000

より、

19^6 \gt 20^6 \gt 200^4 \gt (253)^4

となる。したがって、(1)式

(19)^6=416\times19^4+(253)^4

は成り立たず矛盾。

p=3の場合

p^2-4p-2=-5

である。n=2のとき、法を5として

0\equiv 5^6 \equiv 1\times 3^2 +109^2
\Rightarrow 0\equiv 9 +4^2\equiv 25

で、無矛盾。よって、n=2の場合を調べると、

5^6=(5^3)^2=(100+25)^2=15625
416\times 3^2 =3744
109^2=(100+9)^2=11881

より、

5^6=416\times 3^2 +(-36\times 3 -1)^2

が成立する。(1)式はnの狭義単調増加関数なので、p=3で(1)式を満たすn\ge 4は存在しない。よって、求める解は、

(p,n)=(3,2)

である。