流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

2012年第二回東大オープン3を解いてみた

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2019/09/19追記:みをつくしさんが間違いを指摘してくれたので、修正しました。ありがとうございました。

2012年第二回東大オープン3

今日は本を読む気がなかなかおきなくて数学できていないので、twitterの数学をしました。

解答

まずは、式変形する。

x^2-p^n x +q^n=0
x(p^n -x)=q^n……(1.1)

このとき、

x=1,p^n-x=q^n
x=q^n,p^n-x=1
x\equiv 0,p^n-x\equiv 0 (\bmod q)

の3通りのパターンがあり得る。

①の場合

p^n-1=q^n……(2.1)

ここで、p,qの偶奇は異ならなければいけないことがわかる。q\lt pより、

q=2……(2.2)

である。また、nが偶数のとき、n=2k(k \ge 1)とおくと、

(p^k-2^k)(p^k+2^k)=1……(2.2)

となり、これを満たすpは明らかに存在しないので矛盾。nが奇数のとき、

p^n=2^n+1=(2+1)(1-2+2^2-\cdots+2^{n-1})……(2.3)

因数分解できる。ここで、n\ge 3とすると

1-2+2^2-\cdots+2^{n-1}=p^{n-1}
1-2+2^2-\cdots-2^{n-2}=p^{n-1}-2^{n-1}
-1-2^2-2^4 \cdots - 2^{n-3}……(2.4)

となるが右辺は正で、左辺は負となるので矛盾。よって、n=1

(p,q,n)=(3,2,1)……(2.5)

である。

②の場合

p^n-q^n=1……(3.1)
p,qの偶奇はことなり、p \gt qなので、q=2。従って、

p^n=2^n+1 ……(3.2)

この式は(2.3)式と同じなので、求めるp,q,nも①の場合と同じである。

③の場合

p^n\equiv 0 (\bmod q)……(4.1)

 より、p,q素数なので、

p=q……(4.2)

である。(1.1)式より、k+l=n(n-1 \ge k,l \ge 1)となる自然数によって、

x=p^k,p^n-x=p^l……(4.3)

と表せる。x=p^kを右の式に代入して、

p^n-p^k=p^l
p^k(p^{n-k}-1)=p^l……(4.4)

ここで、n-k\ge 1なので、

p^{n-k}-1\equiv -1 \not\equiv p……(4.5)

なので、p^{n-k}-1pで割り切れない。従って、

p^{n-k}-1=1
p^{n-k}=2……(4.6)

でなければいならない。よって、これを満たす(p,q,n)は、

(p,q,n)=(2,2,2)……(4.7)

求める解

以上より、求める解は、

(p,q,n)=(3,2,1),(2,2,2)……(5.1)

 のみである。