流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

(a+b^3)/(ab)が整数となる整数a,bを全て求める

2015年ヨーロッパ数学オリンピック日本代表一次選抜試験より

久々に更新してみる。
twitterをのぞいてみたら、整数問題botの問題が目に入った。試しに解いてみたところ、読後感ならぬ解後感(?)が結構よかったので紹介してみたい。
下の問題である。

3分問題ということで、カップラーメンが出来上がるのを待っている間に解けるらしい。お手軽そうなのでやってみた。時間は測らなかったが、だいたい5分くらいで解けたような気がする。ちょっとした頭のストレッチになるので、挑戦したい人は以下の解答を見る前に自分でやってみてほしい。

解答

a+b^3bで割り切れることから、aはある正の整数a_1を用いて、

a=a_1 b

と書ける。*1これを問題の式に代入すると、

\frac{a+b^3}{ab}=\frac{b(a_1+b^2)}{a_1b^2}
=\frac{a_1+b^2}{a_1b}

となる。ここで気づくのが、元の問題の分子に表れていたbの指数32に下がっていることだ。さらに、問題の式の形はこの指数の部分を除いて、変わっていない。 そんなわけだから、この置き換えを繰り返し行えば、指数をどんどん減らしていけそうだ。

a_1=a_2 bと置き換えると、*2
\frac{a_1+b^2}{a_1b}=\frac{a_2+b}{a_2b}

a_2=a_3 bと置き換えると、*3
\frac{a_2+b}{a_2b}=\frac{a_3+1}{a_3b} ……(☆)

となり、分子のbは指数が0になってしまい、ついに消えてしまった。

問題の式が整数となるためには、分子の値は分母の値より、大きくないといけない。よって、

a_3+1 \ge a_3b
(b-1)a_3 \le 1……(♪)

b \ge 1なので、この式が成り立つためには、b=1または2でなければならない。

b=2のとき、

不等式(♪)より、a_3=1なので、
a_2=a_3 b=2
a_1=a_2 b=4
a=a_1 b=8

a,bの値が2,8と求まる。このとき、

\frac{a+b^3}{ab}=\frac{8+2^3}{8*2}=1

となり、確かに整数になる。

b=1のとき、

問題の式の値を、正の整数kとおくと、(☆)式より、
\frac{a_3+1}{a_3}=k

この式を変形して、

1=(k-1)a_3

この式を満たす正の整数の組(k,a_3)は明らかに、(2,1)のみである。
よって、

a=a_1=a_2=a_3=1

となり、(a,b)=(1,1)である。このとき、問題の式の値は2となる。

以上をまとめて、求める正の整数の組(a,b)は、

(a,b)=(1,1),(8,2)

の2つだけである■

*1:a+b^3 \equiv a \equiv 0 (\bmod b)より、明らか。

*2:a_2はある正の整数で、bの倍数になることは、abの倍数になることと同様に示せる。

*3:a_3はある正の整数で、bの倍数になることは、abの倍数になることと同様に示せる。