流れる空の中で数学を。

とある数学好きの「手作りすうがく」と「気ままな雑記」。

【後編】FoxQの観賞用問題1【第12回関西すうがく徒のつどい】

【後編】FoxQの予想の部分的証明(素数で表される場合 )

k,n自然数としたとき、

p^a+(2^k q)^b=n^2……①

を満たす素数p,q自然数k,a,bの組を求めよ。ただし、(p,2^k q)は原始ピタゴラス数の内小さい方の2組とする。twitterの問題も貼っておきます。

原始ピタゴラス数の小さい方の2組の内、一方は3の倍数なので、

p=3またはq=3

である。今回の記事【後編】ではp=3の場合を取り扱う。
原始ピタゴラス数の小さい2数の内、一方は4の倍数なので、q=2またはk\ge 2が成り立つ。そこで、法を4として、①式を書き出すと、

3^a\equiv n^2 (\bmod 4)……(1.0)

より、aは偶数である。p,2^kqは原始ピタゴラス数の小さい2数であったので、自然数s,t (s \gt t)を用いて、

3=s^2-t^2=(s-t)(s+t)……(1.1)
2st=2^kq\Rightarrow st=2^{k-1}q……(1.2)

となるので、可能なs,tの組み合わせは、

(i)s=2^{k-1}q,t=1
(ii)s=2^{k-1},t=q
(iii)s=q,t=2^{k-1}

まず、(i)は(1.1)式より、

3=2^{2k-2}q^2-1……(1.3)

となるが、これを満たすのは、k=1,q=2のみである。

次に、(ii)も(1.1)式より、因数分解の形になっているので、

2^{k-1}-q=1,2^{k-1}+q=3
\Rightarrow q=2^{k-1}-1,2^{k-1}+q=3
\Rightarrow 2^k=4
\Rightarrow k=2
\Rightarrow q=2^{2-1}-1=1……(1.4)

となり矛盾。

最後に、(iii)も(1.1)式より、因数分解の形になっているので、

q-2^{k-1}=1,q+2^{k-1}=3
\Rightarrow q=2^{k-1}+1,2^{k-1}+q=3
\Rightarrow 2^k=2
\Rightarrow k=1
\Rightarrow q=2^{1-1}+1=2……(1.5)

以上より、(i)(ii)(iii)から、

k=1,q=2……(1.6)

が言えた。従って、解くべき方程式は、

3^a+4^b=n^2……(1.7)

 3^a+4^b=n^2を解く。

まずは、式変形する。

3^a+(2^b)^2=n^2
\Rightarrow 3^a=(n-2^b)(n+2^b)……(2.1)

ここで、(n+2^b)-(n-2^b)=2^{b+1}より、n+2^bn-2^bとの公約数は2^{b+1}の約数であるが、これは3と互いに素なので、

n-2^b=1,n+2^b=3^a
\Rightarrow 2^{b+1}=3^a-1……(2.2)

一方、(1.0)式より、aは偶数であったので、a=2cとおいて最初の式を変形すると、

4^b=(n-3^c)(n+3^c)……(2.3)

ここで、(n+3^c)-(n-3^c)=2\cdot3^{c}より、n+3^bn-3^bとの公約数は2\cdot3^cの約数であり、nが奇数であることからn+3^bn-3^bは偶数となり、

n-3^c=2,n+3^c=2^{2b-1}
\Rightarrow 2\cdot 3^c=2^{2b-1}-2
\Rightarrow 3^c=2^{2b-2}-1……(2.4)

ここで、両辺を2乗して、a=2cであったことを思い出すと、

3^a=2^{4b-4}-2\cdot 2^{2b-2}+1……(2.5)

この式を(2.2)式と比較して、

2^{b+1}+1=2^{4b-4}-2\cdot 2^{2b-2}+1
\Rightarrow 2^{b+1}=2^{4b-4}-2\cdot 2^{2b-2}
\Rightarrow 0=2^{4b}-2^3\cdot 2^{2b}-2^5\cdot 2^b
\Rightarrow 0=2^{3b}-8\cdot 2^{b}-32……(2.6)

ここで、x=2^bとおくと、

0=x^3-8x-32……(2.7)

を得る。x=4はこの方程式の解なので、因数分解して、

0=(x-4)(x^2+4x+8)……(2.8)

ここで、x^2+4x+8=0の判別式Dは、

D/4=2^2-8=-4\lt 0……(2.9)

なので、(2.8)式はx=4以外の解を持たない。即ち、

x=4=2^b\Rightarrow b=2……(2.10)

ここで、(2.4)式より、

3^c=2^{2\cdot 2-2}-1=2^2-1=3 \Rightarrow c=1
\Rightarrow a=2c=1……(2.11)

よって、求める解は、

(p,q,k,a,b)=(3,2,1,2,2)

前編はこちらへ。

sky-time-math.hatenablog.jp

 

【前編】FoxQの観賞用問題1【第12回関西すうがく徒のつどい】

FoxQの予想の部分的証明(素数で表される場合 )

n自然数としたとき、

p^a+(2^k q)^b=n^2……①

を満たす素数p,q自然数k,a,bの組を求めよ。twitterの問題も貼っておきます。ただし、(p,2^k q)は原始ピタゴラス数の内小さい方の2組とする。

 

原始ピタゴラス数の小さい方の2組の内、一方は3の倍数なので、

p=3またはq=3

である。今回の記事【前編】ではq=3の場合を取り扱う。
q=3のとき、(p,2^k q)は原始ピタゴラス数であったので、互いに素な奇数s,t(s \gt t)を用いて、

p=st\Rightarrow s=p,t=1……(1.1)
2^k \cdot 3=\frac{(s-t)(s+t)}{2}=\frac{p^2-1^2}{2}……(1.2)

これより、

2^{k+1}\cdot 3=p^2-1=(p-1)(p+1)……(1.3)

ここで、(p+1)-(p-1)=2で、pは明らかに2でないので、奇素数である。よって、p-1が偶数で、p-1p+1の公約数が2以下であることから、

(i)p-1=2,p+1=2^k\cdot 3
(ii)p-1=2^k,p+1=2\cdot 3
(iii)p-1=2\cdot 3, p+1=2^k

 と場合分けできる。

(i)の場合、2つの式の差をとって、

2=2^k\cdot 3 -2\Rightarrow 1=2^{k-1}\cdot 3 -1 ……(1.4)

となるがこれをみたすkは存在しないので矛盾。

(ii)の場合、2つの式の差をとって、

2=2\cdot 3 -2^k \Rightarrow 1=3-2^{k-1}……(1.5)

これを満たすkは、k=2
このとき、(ii)式よりp=5。従って、①式は、

5^a+12^b=n^2……(1.6)

となる。

(iii)の場合、2つの式の差をとって、

2=2^k-2\cdot 3\Rightarrow 1=2^{k-1}-3 ……(1.7)

これを満たすkは、k=3
このとき、(iii)式よりp=7。従って、①式は、

7^a+24^b=n^2……(1.8)

となる。

5^a+12^b=n^2を解く。

法を5とすると、

2^b\equiv n^2 (\bmod 5)……(2.1)

となるので、b4の倍数でなければならない。特に、bは偶数である。
次に、法を3とすると、

5^a\equiv n^2 (\bmod 3)……(2.2)

となるので、aも偶数である。

よって、自然数c,dを用いて、a=2c,b=2dと置き直すと、

(5^c)^2+(12^d)^2=n^2……(2.3)

ここで、512は互いに素なので、5^c,12^d,nは原始ピタゴラス数となっている。従って、互いに素な自然数s,t(s \gt t )が存在して、

5^c=s^2-t^2……(2.4)
12^d=2st\Rightarrow st=2^{2d-1}3^d……(2.5)

となる。s,tの可能な場合分けは、

(i)s=2^{2d-1}3^d,t=1
(ii)s=2^{2d-1},t=3^d
(iii)s=3^d,t=2^{2d-1}

である。(2.4)式より、法を4とすると(i)は

1\equiv 5^c \equiv 2^{4d-2}3^{2d}-1\equiv -1 (\bmod 4)……(2.6)

となり、矛盾。同様に、(2.4)式より、法を4とすると、(ii)は

1\equiv 5^c \equiv 2^{4d-2}-3^{2d}\equiv -1^{2d} \equiv -1 (\bmod 4)……(2.7)

 となり矛盾。(iii)は、s \gt tの条件より、

d=1,2……(2.8)

まず、d=1のとき、[s=3,t=2]より、(2.4)式から

5^c=3^2-2^2=5……(2.9)

より、c=1

次にd=2のとき、

5^c=9^2-8^2=17……(2.10)

となるので矛盾。以上より、

5^a+12^b=n^2……(2.11)

の解はa=2c=2,b=2d=2のみであることがわかった。

7^a+24^b=n^2を解く。

まず、法を4にとって、

7^a\equiv(-1)^a\equiv n^2……(3.1)

より、aは偶数でなければいけない。
次に、法を7にとると、

n^2\equiv 1,4,2,0 (\bmod 7)……(3.2)

また、b=1,2,3,4,5,6,\cdotsに対して、それぞれ

24^b\equiv 3^b\equiv 3,2,6,4,5,1,\cdots(\bmod 7)……(3.3)

となるので、bも偶数である。よって、自然数c,dを用いて、a=2c,b=2dと置き直すと、

(7^c)^2+(24^d)^2=n^2……(3.4)

ここで、724は互いに素なので、7^c,24^d,nは原始ピタゴラス数となっている。従って、互いに素な自然数s,t(s \gt t )が存在して、

7^c=s^2-t^2=(s-t)(s+t)……(3.5)
24^d=2st\Rightarrow st=2^{3d-1}3^d……(3.6)

これより、可能なs,tの組み合わせは、

(i)s=2^{3d-1}3^d,t=1
(ii)s=2^{3d-1},t=3^d

である。(i)は(3.5)式より、法3とすると、

1\equiv 7^c\equiv 2^{3d-1}3^d-1\equiv -1 (\bmod 3)……(3.7)

となり矛盾。(ii)は、(3.5)式より、

7^c=(2^{3d-1}-3^d)(2^{3d-1}+3^d)……(3.8)

ここで、(2^{3d-1}+3^d)-(2^{3d-1}-3^d)=2\cdot 3^dより、2^{3d-1}+3^d2^{3d-1}-3^dの公約数が2\cdot 3^dとなるが、これは7と互いに素なので、

2^{3d-1}-3^d=1……(3.9)
2^{3d-1}+3^d=7^c……(3.10)

ここで、d\ge 2と仮定すると、(3.9)式より、法を2^5=32として、d=1,2,3,\cdotsに対して、

3^d\equiv 3,9,27,17,19,25,11,1,\cdots……(3.11)

となるので、(3.9)式は法を2^5=32として成り立たない。従って、d\ge 2は矛盾。d=1のとき、(3.10)式より、

4+3=7=7^c\Rightarrow c=1……(3.12)

以上より、7^a+24^b=n^2の解は、

a=2c=2,b=2d=2……(3.13)

のみであることがわかった。

q=3の場合の求める解

q=3の場合の求める解は、

(p,q,k,a,b)=(5,3,2,2,2),(7,3,3,2,2)

後編はこちらから。

sky-time-math.hatenablog.jp

 

【第12回関西すうがく徒のつどい】FoxQからの挑戦状1【解答】

FoxQからの挑戦状1

挑戦状シリーズ第一弾です。今回は複数題にわけることで難易度調整してみました。みなさん、問題を楽しんでいただけたでしょうか?楽しんでいただけたなら、とっても嬉しいです。では、問題のおさらいです。

p,q,r素数k自然数とし次の式を考える。

p^2+(2^k q)^2=r^2……①

(1)k=1のとき、①式を満たすp,q,rを全て求めよ。
(2)k=2のとき、①式を満たすp,q,rを全て求めよ。
(3)k\ge 3のとき、①式を満たすp,q,rは存在しないことを示せ。

twitterの問題も張り付けておきます。

 

解答

pqが互いに素でないとすると、素数なのでp=q。また、左辺がpで割れるので、r=pとなるが、このとき、

p^2+4p^2=5p^2=p^2……(0.1)

となり、矛盾。また、p=2としても、同様にして矛盾が導かれる。よって、p2^k qは互いに素なので、①式の(p,2^kq,r)は原始ピタゴラス数となる。従って、互いに素な自然数s,t(s\gt t)を用いて、

p=s^2-t^2……(0.2)
2st=2^kq\Rightarrow st=2^{k-1} q……(0.3)
r=s^2+t^2……(0.4)

と表せる。

(1)の解答

k=1のとき、(0.3)式よりst=qなので、q素数であることに注意すると、

s=q,t=1……(1.1)

となる。また、(0.2)式より、

p=q^2-1=(q-1)(q+1)……(1.2)

ここで、p素数であるためには、q-1=1すなわち

q=2……(1.3)

でなくてはいけない。このとき、

p=q+1=3……(1.4)

更に、(0.4)式より、
r=q^2+1^2=2^2+1=5……(1.5)

より、求める答えは

(p,q,r)=(3,2,5)……(1.6)

(2)の解答

k=2のとき、(0.3)式より、st=2qなので、

s=q,t=2……(2.1)

このとき、(0.2)式より、

p=q^2-2^2=(q-2)(q+2)……(2.2)

ここで、p素数であるためには、q-2=1すなわち

q=3……(2.3)

でなくてはいけない。このとき、

p=3+2=5……(2.4)

更に、(0.4)式より、

r=q^2+2^2=3^2+2^2=13……(2.5)

より、求める解は、

(p,q,r)=(5,3,13)……(2.6)

(3)の解答

k\ge 3のとき、(0.3)式より、st=2^{k-1}qなので、互いに素なs,tとして次の3通りの可能性が考えられる。

(i)s=2^{k-1}q,t=1
(ii)s=q,t=2^{k-1}
(iii)s=2^{k-1},t=q

(i)の場合、(0.2)式より、

p=(2^{k-1}q-1)(2^{k-1}q+1)……(3.1)

は明らかに合成数なので、矛盾。

(ii)の場合、

p=(q-2^{k-1})(q+2^{k-1})……(3.2)

より、p素数であるためには、

q=2^{k-1}+1……(3.3)
p=2^{k-1}+q=2^k+1……(3.4)

でなければならない。ここで、3を法として考えると、(3.3)(3.4)式より、p,qのいずれかは3の倍数でなければならない。すなわち、p,q素数なので、どちらかは3となる。
まず、p=3だった場合、

3=2^k+1\Rightarrow k=1……(3.5)

となり矛盾。

次に、q=3だった場合、

3=2^{k-1}+1\Rightarrow k=2……(3.6)

となり矛盾。

(iii)の場合、

p=(2^{k-1}-q)(2^{k-1}+q)……(3.7)

より、p素数であるためには、

q=2^{k-1}-1……(3.8)
p=2^{k-1}+q=2^k-1……(3.9)

でなければならない。ここで、3を法として考えると、(3.8)(3.9)式より、p,qのいずれかは3の倍数でなければならない。

まず、p=3だった場合、

3=2^k-1\Rightarrow k=2……(3.10)

となり矛盾。

次に、q=3だった場合、

3=2^{k-1}-1\Rightarrow k=3……(3.11)

となる。このとき、

p=2^3-1=7……(3.12)

更に、(0.4)式より、

r=(2^{3-1})^2+q^2=2^4+3^2=25……(3.13)

となり、r=5^2となるから、r素数でないので矛盾。以上より、題意は示された。

2007カザフスタン数学オリンピックを解いてみた

2007カザフスタン数学オリンピック

昨日の夜に見かけて、気になっていた問題だったので、今日解きました。

解答

p=qp\not=qの場合に分けて解く。

p\not=qの場合

q\gt pとして一般性を失わない。まずは式変形をして、pで割れる形に持っていきます。

p(p+1)+q(q+1)=r(r+1)
p(p+1)=r^2-q^2+r-q
p(p+1)=(r-q)(r+q)+r-q
p(p+1)=(r-q)(r+q+1)……(1.1)

p素数なので、法をpとして

r-q\equiv 0……(1.2)

または

r+q+1 \equiv 0……(1.3)

が成り立つ。(1.2)の場合、(1.1)式より明らかに、r \gt qなので、

r=q+pk(k\ge1)……(1.4)

と表せる。この式を(1.1)式に代入して整理すると、

p^2+p+q^2+q=q^2+p^2k^2+2pqk+q+pk
(k^2-1)p^2+(2qk+k-1)p=0……(1.5)

となるが左辺は正なので矛盾。同様にして、(1.1)式をpqの役割を入れ替えて変形すると、

q(q+1)=(r-p)(r+p+1)……(1.6)

となり、 

法をqとして

r-p\equiv 0……(1.7)

または

r+p+1 \equiv 0……(1.8)

が成り立つ。(1.7)式は、(1.2)式の場合と全く同様にして矛盾が導けるので、(1.3)かつ(1.8)が成り立つ。従って、改めてk,l自然数として

r+q+1=pk……(1.9)
r+p+1=ql……(1.10)

と表せる。(1.9)式から(1.10)式を引くと、

q-p=pk-ql
q(l+1)=p(k+1)……(1.11)

ここで仮定より、p\not= qであったので、g=\gcd(l+1,k+1)とおくと、

l+1=pg
k+1=qg
l=pg-1
k=qg-1……(1.12)

となる。*1これを(1.9)式に代入して、

r=pqg-p-q-1
r^2=p^2q^2g^2-2p^2qg-2pq^2g+p^2+q^2+2p+2q+1……(1.13)

これを(1.1)式に代入して、整理すると、

0=p^2q^2g^2-2p^2qg-2pq^2g+pqg
0=pqg-2p-2q+1
q(pg-2)=2p-1……(1.14)

pg=2のとき、p=2,g=1で(1.14)式は0=3となり矛盾するので、pg-2\not= 0であり、両辺をpg-2で割れる。q\gt pとしていたことを思い出すと不等式による評価を得る。

q=\frac{2p-1}{pg-2}\gt p
2p-1 \gt gp^2-2p
0\gt gp^2-4p-1 \equiv f(p)……(1.15)

最後の行でf(p)を定義した。g=1のとき、

f(0)=1
f(1)=-2
f(3)=-2
f(4)=1……(1.16)

より、(1.15)の不等式を満たす素数pは、p\not= 2であったことを思い出すと、

p=3……(1.17)

のみである。このとき、(1.13)(1.15)より、

q=5,r=15-3-5-1=6……(1.18)

となり、r素数でないので矛盾。g\ge 2のとき、(1.15)の不等式を満たす素数pの範囲はg=1の場合に比べて明らかに狭くなる。よって、p\not=qの場合に解は存在しない。

p=qの場合

 (1.1)式より、

2p(p+1)=r(r+1)……(2.1)

これより、

r=2……(2.2)

または

r+1 = 2k(k\ge 1)……(2.3)

が成り立つ。r=2のとき、

p(p+1)=3……(2.4)

となり、p素数であるので矛盾。r+1=2kのとき、(2.1)式より、

p(p+1)=k(2k-1)……(2.5)

従って、法をpとして、

2k-1 \equiv 0……(2.6)

または

k\equiv 0……(2.7)

が成り立つ。(2.6)の場合、改めて

2k-1=pl(l\ge 1)……(2.8)

と表せるので、これを2\times(2.5)式に代入すると、

2p(p+1)=pl(pl+1)
2(p+1)=l(pl+1)
(l^2-2)p=2-l……(2.9)

ここで、lは整数なのでl^2-2\not= 0より、両辺がl^2-2で割れて、

p=\frac{2-l}{l^2-2}……(2.10)

を得る。ところが、

l=1\Rightarrow p=-1
l=2\Rightarrow p=0
l\ge 3\Rightarrow p \lt 0……(2.11)

となり、p素数であったことに矛盾する。よって、(2.7)式が可能性として残る。このとき、

k=pl……(2.12)

と表せるので、先程と同様にして、

p(p+1)=pl(2pl-1)
p+1=2l^2p-l
(2l^2-1)p=l+1
p=\frac{l+1}{2l^2-1}……(2.13)

ここで、仮定より、p=qであったことを思い出すと、

l=1\Rightarrow p=q=2

(2.1)式より、
2\cdot 2 \cdot 3 =r(r+1)
r^2+r-12=0
(r-3)(r+4)=0……(2.14)

より、r=3が解となる。また、l\ge 2のとき、(2.13)式は、

p \lt 1……(2.15)

となるので、これ以外の解は存在しない。よって、求める解は、

(p,q,r)=(2,2,3)

である。

*1:s=\frac{l+1}{g},t=\frac{k+1}{g}とおくと、(1.11)式はqs=ptとなり、s,tが互いに素なので、s=p,t=qが言え、(1.12)式が従う。

2002ギリシャ数学オリンピックを解いてみた。

2002ギリシャ数学オリンピック

昼ごはん後の休憩として、解いてみた。

解答

問題は、

xy+yz+zx-xyz=2……(1)

である。x=1のとき、

y+yz+z-yz=2
y+z=2……(2)

より、y,zが正の整数なので、求める解の1組は

(x,y,z)=(1,1,1)……(3)

となる。x=2のとき、

2y+yz+2z-2yz=2
2(y+z-1)=yz……(4)

従って、y,zのいずれかは偶数である。yが偶数であるとして、y=2k(k \ge 1)とおくと、

2k+z-1=kz
y-1=(k-1)z……(5)

となるが、これは、z\ge y \ge x \ge 2であったので、y-1,k-1\ge 1となり、矛盾。従って、zが偶数であるので、これを改めてz=2k(k \ge 1)とおくと、

y+2k-1=yk
k(y-2)=y-1……(6)

ここで、y-2=0ならば、(6)式は0=1を導くので矛盾。従って、y-2\not= 0なので、(6)式の両辺をy-2で割って、

k=\frac{y-1}{y-2}……(7)

隣り合う2数は互いに素なので、kが整数となるためには、

y=3……(8)

でなくてはならない。このとき、k=2より、求める解の1つは、

(x,y,z)=(2,3,4)……(9)

である。以後、x\ge 3とする。さて、(1)式に戻ると、
2-yz=x(y+z-yz)……(13)

と変形できるので、y+z-yzが0になる場合と、そうでない場合に分けて解く。y+z-yz=0のとき、

z(1-y)=-y
z=\frac{y}{1-y}……(14)

ここで、隣り合う2数は互いに素なので、y,y-1は互いに素となり、z自然数にならない。よって、矛盾。したがって、(13)式の両辺は、y+z-yzで割れて、

x=\frac{yz-2}{yz-y-z}……(15)

となる。z \ge y \ge x \ge 3より、

3 \le x=\frac{yz-2}{yz-y-z} \le \frac{yz-2}{yz-6}……(16) 

を得るので、これを整理して、

 3yz -18 \le yz-2
 2yz \le 16
 yz \le 8……(17)

ところが、z \ge y \ge x \ge 3であったので、

yz\ge 9……(18)

となり、(17)(18)式は矛盾している。従って、x\ge 3の解はなく、求める解は、

(x,y,z)=(1,1,1),(2,3,4)……(19)

 のみである。

【第3回】FoxQからの出題3【2019/09/10出題】

FoxQからの出題第3回

今回出題したのは以下の問題です。メルセンヌ数が途中で出てくるのがおしゃれポイントです。

今回の正答者はイナバノクロウサギ (@kunne_isepo)さんでした。おめでとうございます!

 

詳細な解答例

問題は、

(p^2-4p-2)^6=416p^n+(-36p-1)^n……(1)

である。まず、p=2とすると、(1)式は偶数=偶数+奇数となって矛盾。よって、pは奇素数、このとき、

p^2\equiv 1 (\bmod 4)

なので、法を4として(1)式は、

(1-2)^6\equiv 1 \equiv (-1)^n

となる。よって、nは偶数である。

次に法をpとして(1)式を見ると、

(-2)^6\equiv(-1)^n\equiv 1
\Rightarrow 2^6-1\equiv 0
\Rightarrow (2^3-1)(2^3+1)=7\times3^2 (\bmod p)

従って、

p=3,7

のいずれかである。

p=7の場合

p^2-4p-2=19

である。n=2のとき、法を19として

0\equiv19^6 \equiv 17\times 49 +253^2
\Rightarrow 0\equiv 17\times 11 +6^2
\Rightarrow 0\equiv 17\times 11 +17
\Rightarrow 0\equiv 17\times12\equiv 17\times2^2\times 3

より矛盾。よって、n\ge 4

 8000= 20^3 \gt 19^3
 253^2 \gt 200^2 =40000

より、

19^6 \gt 20^6 \gt 200^4 \gt (253)^4

となる。したがって、(1)式

(19)^6=416\times19^4+(253)^4

は成り立たず矛盾。

p=3の場合

p^2-4p-2=-5

である。n=2のとき、法を5として

0\equiv 5^6 \equiv 1\times 3^2 +109^2
\Rightarrow 0\equiv 9 +4^2\equiv 25

で、無矛盾。よって、n=2の場合を調べると、

5^6=(5^3)^2=(100+25)^2=15625
416\times 3^2 =3744
109^2=(100+9)^2=11881

より、

5^6=416\times 3^2 +(-36\times 3 -1)^2

が成立する。(1)式はnの狭義単調増加関数なので、p=3で(1)式を満たすn\ge 4は存在しない。よって、求める解は、

(p,n)=(3,2)

である。

ディオファントス近似のプログラムを書いてみた【tan1°を有理数で近似する試み】

ディオファントス近似

ディオファントス近似とは、ざっくり言うと無理数有理数で近似する方法である。*1
例えば、円周率\piについては、

\pi \simeq \frac{355}{113}=3.1415929204...
\pi \simeq \frac{103993}{33102}=3.141592653011903...

等がある。

プログラム

プログラムを書くにあたって、はじめての数論31章と下記のサイトを参考にしました。ありがとうございます。

qiita.com

作成したプログラムは下記にて公開しているので、改変自由でご自由にお使いください。

github.com

使い方はalphaに近似したい無理数を代入し、Nの値をいろいろと変えていくと、既約分数による近似が得られます。Nの値が大きい程、精度は良くなりますが計算時間がかかります。

いくつかの例

今回のプログラムで計算した例をいくつか紹介する。以下は、N=10,10^2,10^3,10^4で計算した結果である。*2なるべく精度の高い方から順に書いておく。

\sqrt{13}=3.605551275463989...
         \simeq \frac{23382}{6485}=3.60555127216665384...
         \simeq \frac{649}{180}=3.6055555555555556...
         \simeq \frac{256}{71}=3.6056338028169015...
         \simeq \frac{18}{5}=3.6

円周率の例も再現できた。

 \pi \simeq \frac{355}{113}
     \simeq \frac{22}{7}=3.142857142857143...

ここからは、未知の領域へ。まずは、ネイピア数

\mathrm{e} = 2.718281828459045...
   \simeq \frac{23225}{8544}=2.7182818352059925...
   \simeq \frac{25946}{9545}=2.7182818229439496... 
   \simeq \frac{1457}{536}=2.718283582089552...
   \simeq \frac{193}{71}=2.7183098591549295... 
   \simeq \frac{19}{7}=2.7142857142857144... 

無理数\tan 1^{\circ}*3も敢えて有理数で近似してみた。1/57で近似できたのは驚きだった。

\tan 1^{\circ} = 0.017455064928217585...
            \simeq \frac{169}{9682}=0.0174550712662673...
            \simeq \frac{100}{5729}=0.017455053237912375...
            \simeq \frac{1}{57}=0.017543859649122806...

最後に、\pi^{\mathrm{e}}{\mathrm{e}}^{\pi}

\pi^{\mathrm{e}}=22.45915771836104...
      \simeq \frac{158921}{7076}=22.459157716223856...
      \simeq \frac{2201}{98}=22.459183673469386...
      \simeq \frac{1370}{61}=22.459016393442624...
      \simeq \frac{45}{2}=22.5

{\mathrm{e}}^{\pi}=23.140692632779263...
     \simeq \frac{10691}{462}=23.14069264069264... 
     \simeq \frac{1481}{64}=23.140625  
     \simeq \frac{162}{7}=23.142857142857142...  

こんな感じに、いろんな無理数を近似することができます。みなさんも暇でやることがない時は、このプログラムを使って、いろんな無理数有理数で近似して遊んでみてください。それでは。

*1:はじめての数論31章より。

*2:小数点以下切り捨てている部分は四捨五入してある。

*3:2006年京都大学の入試問題より